魔王ルート突入⁉️
図体も態度も大きいキングだが、意外と臆病なところがある。
怖い事があると、私の膝の間に潜り込んでくるのだ。
おそらく、本人(本猫?)としては隠れているつもりなのだろう。
……頭しか隠れてないけどな。
「キング、大丈夫?」
声をかけても、ぎゅうっと固まったまま動かない。
「ん?」
女神様から電話がかかってきた。
『大変です! くぅさんが……!!』
「くぅがどうしたの!?」
『とにかく、急いでアレキサンドライトへ行って下さい!!』
「分かった。悪いけど、ラピスラズリに結界を張ってくれないかな。よつばが『解除』しちゃったから」
『分かりました。そちらは、おまかせ下さい』
呆気に取られている長老さん達に声をかける。
「女神様に結界を頼んだので、それはもう大丈夫だと思います」
「女神様とは……?」
あ、そうか。
この世界には色々な神様がいるんだった。
「えーと、幸運の女神です」
「頼んだとは、どういう事ですか? まさか、女神様とお言葉を?」
あー、えーと。
「すいません。急いでいるので、説明はまた今度」
マップを表示する。
魔法都市アレキサンドライト。
ここか。
「キング、『空間転移』。目的地はアレキサンドライト」
キングがぱちっと瞬きをした。
「うっ……」
エレベーターに乗った時のような浮遊感があり、次の瞬間、私達は場所を移動していた。
「……なんじゃ、こりゃ」
空から炎をまとった岩がふりそそいで、街を破壊している。
さすがに魔法都市と言われているだけはあり、水魔法で消火して被害を最小限には押さえてはいるようだが。
……焼け石に水って、こういう事をいうのか。
いや、それどころじゃなかった。
「せり、『気配察知』。くぅを探して」
せりは、しっぽをしょんぼりとさせている。
「どうしたの? 見つからない?」
いや、待てよ。
まさか……。
これ、くぅがやっているのか⁉️




