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第七の猫、参上! ふりだしに戻る。
まぁ、気を取り直して。
猫神様っていうくらいだから、猫に関するお願い事はかなえてくれるだろう。
猫の形をした物はないから、マタタビをお供えする。
「猫達が無事でいますように」
ついでに、何もやらかしていませんように。
さて、お参りもしたし。
「何か美味しいものでも食べよう」
さっき、いい匂いをさせていたお店、どの辺りにあったかな。
店を探していると、ふっ、と何もない空間から白黒の猫が姿を現した。
「…………」
「…………」
一瞬、無言で見つめあってしまった。
子猫の頃から大きかった体と、名前の由来になったアゴヒゲのような模様。
「キング!?」
猫神様のご利益すごいな。
しかし。
キングの姿は、再び見えなくなってしまった。
「あ、ちょ……」
逃げられてしまったようだ。
猫神様に、「捕まえられますように」とお願いするべきだった。
後悔していると、女神様から電話がかかってきた。
『あの、キングさん、今クリスタルに来ているみたいなんですけど』
「……」
戻るのかよ!




