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逃亡。
「という訳なんだけど」
『りゅうたろうちゃん達はご無事ですか!?』
……私は?
いや、もう慣れたけど。
「全員、無事。ところで、このタコはどうしたらいいかな」
多分、あと数時間は目を覚まさないはずだ。
『私に任せて下さい』
……大丈夫ですか?
『海の底に結界を張って閉じ込めます。私、結界は得意なんです』
「……」
前に、よつばに解除されてたよな……。
まあ、いいか。
「じゃあ、後始末お願いします」
女神様との通話を終え、私はため息をついた。
あとは、これをどうするかだ……。
チャビのごろごろが大きすぎて、トルマリンの街全てが眠ってしまったのだ。
人間はもちろん、猫や水鳥達まで眠っている。
建物も、当然真新しくなっていた。
「うん、逃げよう」
最後に、もう一回リプのフライが食べたかったな……。




