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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。 もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?  作者: たまご
第九部 望む世界

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魔王。

「うなぁぁぁぁおぅぅぅぅぅ!!」


くぅが、怒り狂っている声がする。


くぅの怒りによる「威嚇」で、世界が震えている。


せっかく、運命神の《ことわり》を燃やしたのに。


魔王と化したくぅが、世界を滅ぼしてしまう。


今のくぅなら、世界を燃やし尽くすのに十日もかからないだろう。


ダメだよ、くぅ。


「キ……ング……、『空間……転、移』……」


どうにか、声を絞り出す。


「にゃう……」


「くぅを……、みん、なを……つれて、いきな……さい……」


どこか遠くに。


猫達が、自由に走り回れる場所に。


あんた達が、望む場所に。


もう、この世界に《ことわり》は存在しないのだから。


「は、や……く……」


ああ、もうダメだ。


目を開けていられない。






ふっ、と意識が浮上した。


背中に硬いものが当たる感触がした。


これは、床か?


目を開けると、石造りの天井が見えた。


もしかして、女神様の神殿?


キングが連れてきたのか?


「……」


ダメだ。身体中が重くて、胸が苦しい。


痛みは感じないが、起き上がる事ができない。


ぬっ、と福助の顔のドアップが目の前に現れた。


「うわ……っ!?」


ああ、いや、そういう事か。


現在の状況を理解した。


私の胸の上に、福助がどっかりと座って顔をのぞき込んでいるのだ。


首だけを動かして確認すると、右腕はチャビが、左腕はりゅうたろうが、それぞれ枕にして眠っている。


足の上では、せりとキングが丸くなっている。


さっきから髪の毛にイタズラしているのは、多分おこんだろう。


珍しく、よつばも手の届く位置で眠っている。


……動けないわけだ。


トータル何キロだと思っているのよ、あんた達!


「はいはい、起きて。どいてね」


猫達をどかして起き上がる。


身体に痛みはない。


チャビが「回復」させてくれたのか。


死にかけていたはずだがな。


「ありがとう、チャビ」


チャビを撫でると、嬉しそうにごろごろとのどを鳴らしながら、頭をこすり付けてきた。


ん? そういや、くぅはどうした?


「にゃお!」


声に振り返ると、何故かくぅが仁王立ちでふんぞり返っていた。


どうした?


よく見ると、くぅは白っぽい人魂のようなものを踏みつけていた。


………………。


あれ、もしかして、それって……。


いや、まさかな。


周りをよく見てみると、見たことのある構造の神殿だった。


ただし、もっとぼろぼろだったはずだが。


中央には、フードをかぶり、本を手にした男性の白い像が立っている。


ああ、やっぱり……。


くぅが踏みつけているそれ、運命神なんだな? そうなんだな!?




















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