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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。 もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?  作者: たまご
第九部 望む世界

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運命。

運命神の言っている事は、分からないでもない。


エルフ達は精霊を友としている。


真珠国では、御神体から神に成る。


アレキサンドライトにいたっては、信仰する神を持たなかった。


ふるき神々が知る人とは、あまりに違いすぎた。


だが。


みんな、好きでこの世界にきたわけではない。


私のように、猫さえ一緒ならどんな世界でもかまわない。という人間ばかりではないだろう。


エルフ達のように、滅びゆく世界から逃げてきたわけでもない。


いや、エルフ達の伝承とて、真実とは限らない。


そう言い伝える事で、あきらめようとしていたのかもしれない。


帰りたい、帰りたい、帰りたい……!!


その想いが、どれほどの強さだったのか。


魔導の塔の連中や、真珠国からわかれたもの達のように、その願いの強さゆえに歪んでしまうほどに。


けれど、この世界で生きる事を選んだ人達もいる。


それこそ、「運命だと思って受け入れた」のだ。


お稲荷さんのように、心の奥底に「帰りたい」と願う気持ちを押し込めて。


そんな、可哀想で、健気で、強い人達を、運命神は「昔はよかった」という身勝手な理由で消し去ろうとしている。


……ふざけんな。


そんな事、例え神サマだって許さない!


「くぅ、あの本を燃やして!」


「にゃお!」


くぅの「火魔法」が、運命神が持つ《ことわり》に火をつけた。


「愚かな真似を……!」


運命神がうめくように叫んだ。


火はすぐに消えてしまった。


だが、一瞬ではあったが、確かに火はついた。


つまり、《ことわり》は燃やせるのだ。


「キング、『影魔法』で拘束! おこん、『引っ掻き』!」


キングの影が長く伸び、運命神の影を捕らえた。


おこんは運命神の足を引っかくと、素早く後ずさった。


「何を……!?」


ぎしぎしと音を立てそうな動きではあったが、運命神はまだ動けるようだった。


さすがは神サマだ。


「りゅうたろう、本を!」


大きくなったりゅうたろうが、運命神に飛びかかる。


運命神が手を振ると、りゅうたろうは宙へ飛ばされた。


「りゅうたろう!」


くるりと一回転をすると、りゅうたろうは私の横に着地した。


「大丈夫!?」


「グルルル……!」


りゅうたろうのうなり声を久しぶりに聞いた。


「チャビ、『回復』して」


チャビがごろごろとのどを鳴らしながら、りゅうたろうに寄りそった。


今ので、運命神に警戒されてしまった。


だが、どうしても《ことわり》は燃やさなければならない!











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