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第四の猫、参上! ……ダメだ、眠い。
報告。
猫とお化け屋敷は相性が悪い。
……いや、良すぎるのか。
全員揃って同じ所を見るんじゃない!
そこ、何もないでしょうが!!
「……静かだねぇ」
依頼書には、謎の音が聞こえると書いてあったけれど城の中はしんと静まりかえっている。
りゅうたろうは鳴かない。
福助も、鳴くよりはボディランゲージが主体だ。……噛むな!
よつばは……、自分の可愛さを利用出来る時にしか鳴かない。
静かすぎる城の中で聞こえるのは、私の独り言だけだ。
「チャビ、大丈夫かな……」
その時、突然大きな音がした。
「うわっ、何!?」
飛行機のエンジン音を、すぐ近くで聞いたかのようだ。
「え、何だ……?」
頭がぼうっとしてきた。
そういえば、依頼書には音を聞くと気を失うって……。
思わず膝をつくと、視界の隅に茶トラの猫が近付いてくるのが見えた。
「チャビ……」
駄目だ、意識が朦朧としてきた。
でも、これって、気を失うというよりも。
徹夜明けのアレなような気が……。
限界だ……、ねむ……い……。




