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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。 もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?  作者: たまご
第八部 運命神の《ことわり》

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合流。

急いで、お社に向かう。


「お稲荷さん!」


中に入ると、お稲荷さんがぐったりとした様子でうずくまっていた。


「大丈夫!?」


慌てて駆け寄り、お稲荷さんを抱き起こした。


「つかさ、さん……?」


「助けにきたよ」


「ありが……とう、ございま……す」


……なんだ?


お稲荷さんの身体がひどく軽い。


いや、それだけではない。


輪郭がぼやけ、うっすらとしている。


まさか、存在が消えかけているのか?


「私の力……では、これが、精一杯……」


ほろりと、お稲荷さんの目から涙がこぼれた。


「留守居役も、果たせず……、くやしや……」


「お稲荷さん、しっかりして!」


ダメだ、このままだと消えてしまう!


不意に、キャットハウスからチャビが出てきた。


ごろごろと喉を鳴らしながら、お稲荷さんの顔をぺろっとなめた。


「!」


腕の中に、重さが戻ってきた。


輪郭がくっきりしてくる。


お稲荷さんは驚いたように目を開けて起き上がった。


「戻った……?」


「大丈夫? どこか苦しいとかない?」


お稲荷さんが慌てて首を振った。


「むしろ、力がみなぎるようです」


チャビが満足そうに、お稲荷さんに頭をこすりつけた。


チャビの「回復」は農耕神様にも効果があったみたいし、まぁ、お稲荷さんに効いても不思議ではないか。


しかし、消えかけた存在を復活させるとはな。


「黒い霧は、国の中には入り込んでいない?」


「はい、大丈夫です」


私の言葉に、お稲荷さんはきっぱりと言いきった。


「私の全ての力で防いでいましたから」


やはり、それで力を使い果たしたのか。


「港も大丈夫?」


お稲荷さんのふさふさのしっぽが、小さく揺れた。


「今は大丈夫ですが、魔物が来たら防ぎようがありません……」


「そっちは、私達が対応する」


霧の犠牲者がいないのなら、キャラバンの護衛についてきた冒険者達にも協力してもらおう。


門を閉ざして、塀の上で迎え撃つのが今のところ最良か。


それなら、空からくる魔物を警戒すればいいしな。


港は門も塀もないから、絶対に通すわけにはいかない。


うちの猫達が討ちもらした場合を考えて、信頼できるバックがほしい。


ひょい、とせりがキャットハウスから顔を出した。


嬉しそうに「にゃあ!」と鳴いた。


「つかさ、来たよ」


「……」


紅い穂先の槍を肩にかついだサナと、無言でせりに近づくナルシがお社に入ってきた。


「つかさ!」


エルフの遊撃部隊も間に合ったようだ。


「私達は港に」


「あいよ」


「お稲荷さんは、冒険者達に指示を出して」


「……はい」


よし、行こう!


















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