いざ、お化け屋敷! ……やめとく?
ここが依頼のあったお城か……。
うっそうと繁った木々。
なぜか昼間でも薄暗い。
「うん、出るな、これは」
猫しか連れていないテイマーの私が依頼を受けようとすると、お姉さんはいい顔をしなかった。
もっと簡単なものから始めた方がいいと、何度も念を押された。
結局、あくまで調査するだけという事で話がついた。
「十分に気をつけて下さいね」
城ごと吹き飛ばしたりしないように気をつけます……。
気配を探ると、チャビの名前が表示された。
やっぱり、ここにいたのか。
あれ、でも、待てよ。
「チャビだけって、どういう事……?」
チャビは姉弟で保護した猫だった。
シニアといわれる歳になったというのに、うちの猫達の中でも特に寂しがり屋だ。
こんな、初めての場所で一人きりでいるはずがない。
「まさか、くぅとはぐれた……?」
マズい。一刻も早く確保だ!
「りゅうたろう、大きくなって」
りゅうたろうが虎ほどの大きさに変化する。
「よつばは罠があったら『解除』。危ないと思ったら逃げなさい。……まあ、あんたは言われなくても勝手に逃げるだろうけど」
よつばがもふもふのしっぽをピンとたてた。
「福助は」
福助がじっと私の顔を見た。
「何もしないで下さい……」
 




