共闘。
エルフ達が弓矢をかまえる。
「りゅうたろう、大きくなって」
ひらりと肩から飛び降りたりゅうたろうは、地面に着くまでに虎ほどの大きさに姿を変えた。
「くぅ、チャビ、福助。魔法で攻撃」
「にゃお……」
威厳たっぷりに、くぅが一歩を踏み出した。
「おこん、よつば、キング。無理しない程度で攻撃」
「にゃん!」
やる気満々のおこんが、近くの木でばりばりと爪をといだ。
「せり」
「にゃあああ!」
毛を逆立てたせりが、大きな声で鳴いた。
来たか!
「放て!!」
エルフ達が一斉に矢を放つ。
魔力を込めた矢は、凄まじい早さで空を切り、魔物達の群れへと突き刺さった。
矢から逃れた魔物達は怯むどころか、勢いを増しながら近付いてきた。
「もう一度!!」
エルフ達が再び、矢を放った。
だいぶ数は減ったようだ。
「腹の底に、気合いを入れろ!」
私の言葉に、エルフ達が唇を引き結ぶ。
「くぅ!」
「うなぁぁぁぁおぅぅぅぅ!」
くぅの雄叫びに、空気がびりびりと震えるようだった。
くぅの「威圧」で、明らかに魔物達の勢いは衰えた。
エルフ達は顔を青ざめさせながらも、何とか耐えてみせた。
「行くよ!!」
私は大鎌を握り直した。
「くぅ!」
「にゃお!」
くぅが「剣魔法」で作り出した数百の剣が、魔物に向かって放たれた。
「福助!」
「にゃ!」
福助の回りを、きらきらしたものが踊るように跳ね回った。
福助の「風魔法」が、くぅの作り出した剣の速度を上げた。
魔物達に、剣が突き刺さる。
「チャビ!」
「にゃお!」
チャビの「雷魔法」が、突き刺さった剣へと落ちた。
焦げ臭い匂いをさせながら、魔物達が倒れていく。
「放て!!」
エルフ達の放った矢が、止めをさした。
だが、魔物達の途切れる様子はない。
おこんが魔物達の足元を素早くすり抜けながら、「引っ掻き」で麻痺させていく。
りゅうたろうは魔物達の中に飛び込み、片っ端から前足で殴り飛ばす。
よつばは「魅了」で魔物を操って同士討ちをさせ、キングは「影魔法」で拘束する。
私は大鎌を振るって、魔物を倒していった。
「にゃあああ!」
せりが、空を見上げながら大きな声で鳴いた。
黒い雲のようなものが、近付いてきている。
あれは。
「フラーか!」
フラーの群れが、迫ってきていた。




