ドラゴン、狩り放題。
くぅが情け容赦なく、ドラゴン達の頭上に火をまとった岩を降りそそぐ。
前より、岩が大きくなってないか……?
避けきれず岩に当たったドラゴンが、地上近くに高度を下げた。
そこへ巨大な剣が現れ、地面へと串刺しにした。
「……」
えぐすぎる……。
福助は風を細く鋭い矢にして、それをむやみやたらに放った。
数百もの風の矢を避けきれるわけもなく、次々にドラゴンが貫かれていく。
あれなら、細かいコントロールとか必要ないもんな……。
りゅうたろうは前に倒した時と同じように、ドラゴンちゃんとの連携で一頭ずつ確実に仕留めていた。
キングもドラゴンの影を操り、それと本体を戦わせている。
ただ、前と違うのは、キングの操る影の方が本体より数倍強い事だ。
おこんは自ら巨大なキャットタワーを創成すると、それをかけ登ってドラゴンを引っ掻いていた。
麻痺したドラゴンが、地面へと叩きつけられる。
そこへ、やはり創成した巨大な槍で止めをさした。
穂先が紅いところを見ると、サナの槍がモデルらしい。
そういや、サナが槍をくるくる回してみせてくれたのをじぃっと見ていたな……。
気に入っていたらしい。
チャビは怪我人を回復させる片手間に、雷を落としてドラゴンを黒焦げにしていた。
いや、ドラゴンって片手間で倒せる相手でしたか……?
私の新スキル「猫ばか」でステータスが大幅にアップしているのは分かっていたが、ここまでとは思わなかった……。
ドラゴンは、本来冒険者が百人単位で狩る相手のはずだ。
しかも、それは一頭だけの事で、群れの場合はどんな腕のたつ冒険者でさえ逃げ出すのが精一杯なのだ。
それを、まるで小型の獲物でも狩るように……。
猫達がドラゴンを蹂躙している間、サナ達は地上の魔物と戦っていた。
よつばは、魔物を魅了して同士討ちをさせている。
その間に、食べられる魔物を見つけては自ら狩っていた。
本来、せりは戦闘向きではない。
しかし、小型の魔物なら一撃で仕留められるようだった。
うちの猫達、強すぎやしませんかね……?
私は元草刈り鎌だった大鎌を手に、地道に一匹ずつ魔物を倒していた。
いや、うん、分かっていますよ。
メインは、猫の方だって事は……!!




