隠れてない。
「そのあとの事も、全てそうさ」
真珠国の御神体を取り戻した事も。
エルフの虹雲が無事に孵った事も。
地下迷宮で火山の噴火を止めた事も。
フラーの大群を退治した事も。
確かに、猫達が逃げ出していなければ起きなかったはずの出来事だ。
「……それで、私達はこのあとどうしたらいいの?」
「今のままで、かまわないさ」
そう言って、ミーコさんはころころと笑った。
「猫がしたい事をどうこう出来るわけもないしさ」
確かに。
一応、テイマーである私の指示はきいてくれるけど、それだってやりたくない事はやらないだろうしな。
「まぁ、霧と魔物の対応をしてくれると助かるけどな」
守護している場所が多いから、手が回らないんだよな、と海神様がため息をつく。
「わらわ達はほかの神とも話しおうて、運命神の対応を決めねばならんのでの」
「この世界を守ってはくれんかのう」
「……」
別に、神様に頼まれたからではない。
今までと同じようにしていればいいのなら。
「頑張ります」
私の言葉に、神様達が顔をほころばせた。
「それじゃ、あんたの隠しスキルを使えるようにしておこうか」
「え?」
「転生させる時に、あたしがスキルを与えておいたのさ」
そういや、私の転生は女神様ではなく、猫神がさせたんだったな。
ミーコさんが八本のうちのしっぽを一本だけゆらゆらと振った。
しっぽ、ばらばらに動かせるんだ……。
ふわっと私の体が光った。
「!」
「確認してごらんよ」
どれどれ?
「猫ばか」 レベル∞
…………。
いや、隠れてないが?
まぁ、いいか。
で、効果は……?
「猫ばか」 猫達のステータス大幅アップ。及び、猫達のスキル効果倍増。
……………………。
猫かよ!
この世界の神様は、どこまでもぶれないな!!
「つかさ、猫達を頼むよ」
ミーコさんが、優しい顔をしてそう言った。
まぁ、本来は猫の神様だからな。
「当たり前でしょ」
私の返事に、ミーコさんがころころと笑う。
猫達の事は、絶対に私が守る。
ついでに、この世界も守ろうか。
第六部 完
これにて、第六部「消えた村」は終了となります。
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「にゃう……」
「キ、キングさんが読者さんの影を操ってぽちっと……」
「いや、ダメだから、それ!」




