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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。 もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?  作者: たまご
第六部 消えた村

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契約。

福助のまわりを、何かきらきらしたものが漂っている。


「風の精霊達も、力を貸してくれるようだ」


なら、おもいっきりいこうか。


「福助、全力で『風魔法』! 霧を吹き飛ばして!!」


「にゃ!」


福助が張り切って鳴いた。


ごおごおと音を立てて、風が巻き上がる。


精霊達の力を借りているせいか、いつもよりさらに激しい。


森を覆っていた霧が、吹き飛ばされていく。


「よつば、『解除』!」


タイミングを合わせて、よつばに指示を出す。


よつばが前足をちょいちょいと動かすと、黒い霧はほとんど消えて、うっすらと残っている程度だった。


そして、虹色に輝く雲が森に雨を降らせた。


雨に当たった霧は、溶けるように消えていった。


空気が爽やかだ。


気分もすっきりしている。


……マイナスイオンみたいな効果もあるのかな。


長の話では、虹雲は徐々に成長し、やがて森全部を覆うくらい大きくなるのだそうだ。


そうなると、《よくないもの》は近付く事すら出来なくなるらしい。


ただ、そこまで大きくなるのには、あと百年近くかかるという事だった。


「そういえば、頼みって?」


みうの言葉に、ここに来た本来の目的を思い出した。


状況を説明し、ラーラ達の行方を探してほしいと頼んだ。


「今、見てみるね」


みうの瞳が金色に光った。


やがて目を閉じ、みうは小さく首を振った。


「ダメ。見つからない」


「……」


「普通なら、残っている気配くらい見えるんだけど……」


せりの「気配察知」でも、みうの「とおみ」でも、気配さえ追えないという事か。


ラーラ達は、どこに消えた?


手がかりは、猫の足跡だけだ。


……猫神様を探すか?


猫がからんでいるなら、それが一番確実だが。


んー?


「つかさ」


長に声をかけられ、我に返った。


「風の精霊達が、福助と共に行きたいと言っている」


…………え?


「気に入ったらしい」


「精霊達は、気に入ったエルフや人間と契約を交わすんだよ」


みうがにこにこして言った。


「え、えーと、契約するとどうなる、のかな……?」


「魔力が増幅され、精霊達が常に力を貸してくれるようになる」


「…………」


いや、いや、いや。


今でさえ、あの威力ですよ!?


これ以上はムリ! だって、福助だし!!


それこそ、うっかり世界を滅ぼす未来しか見えん!


きらきらしたものが福助を包み込み、まばゆい光を放った。


風の精霊達は、勝手に福助と契約を結んでしまったようだ。


人の話を聞かんか、バカ者!


魔王ルートが増えてしまった……。


ラーラ達を探さないといけないのに、何でこうなるんだよ!?







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