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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。 もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?  作者: たまご
第六部 消えた村

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よくないもの。

「つかさ、どうしたの? 今日は、遊べるの?」


突然きた私達に驚きながらも、みうは喜んでくれた。


「ごめん。今日は、頼みがあって……」


不意に、キャットハウスからせりが出てきた。


耳を伏せ、毛を逆立て、牙をむいている。


「気配察知」だ。


しかも、最大級の警戒をしている。


「何、これ……」


せりと同じ方向を向いていたみうが、顔をしかめた。


深い緑色をしていたはずのみうの瞳が、金色に光っている。


もしかして、これが「とおみ」の力なのか?


みうの父親であるエルフの長が、走ってきた。


「精霊達が騒いでいる。みう、何が見える?」


「真っ黒な何かが、《よくないもの》が、ここに来ようとしている……」


真っ黒って、まさか……。


ほんの一瞬だった。


翡翠の森を、真っ黒な霧が覆った。


「あれに触っちゃダメ!」


私が叫ぶと、みう達は驚いたように振り返った。


「何か、知っているのか?」


「何かは分かりません。ただ、《よくないもの》だとしか……」


福助やよつばのスキルで薄くなった霧でさえ、ひどく嫌なものだった。


「うん、あれは危ない」


みうが頷く。


それから、私を見て笑った。


「大丈夫だよ。この森は精霊達に護られているから、悪いものは入ってこれないの」


それで、黒い霧は翡翠の森を取り囲むようになっているのか。


……もしかして、ラピスラズリは女神様の結界があったから。


そこまで考えて、はっとした。


なら、女神様の結界も、精霊の加護もない場所はどうなった?


連絡の途絶えた村は?


ほかの冒険者達が、魔物に襲われて村が全滅したようだと報告していたが。


黒い霧に、飲み込まれたのだとしたら?


しまった。ほかの冒険者の報告書も確認しておくべきだった。


「虹雲が、もう少し育っていればよかったのだが」


長の言葉に、我に返った。


「どういう意味ですか?」


「虹雲の降らす雨は、《よくないもの》を浄化できる」


しかし、まだ孵ったばかりの虹雲にそこまでの力はないらしい。


「なら、猫達に霧を薄くしてもらえば、何とかなりますか?」


「おそらく」


長が頷いた。


「猫達はすごいんだよ!」


みうが、目をきらきらさせて言った。


「だから、大丈夫」


せりを見ながら、みうがにっこりと笑った。













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