疑問。
ご飯を終えると、くぅ達はドラゴンを探しに出かけた。
りゅうたろうはドラゴンちゃんと一緒に空から、あとは、くぅ、チャビ、福助の戦闘タイプの猫達だ。
……チャビは、癒し系だったはずなのだが。
「おこん達は危ないから、近くにいなさい」
おこんだけは、不満そうにしっぽをばんばん地面に打ち付けていたが仕方がない。
さすがに、狂暴なドラゴンに単独で挑むには無理がある。
せりは「召喚魔法」を使えるようになったが、クラーケンは水辺の近くでしか呼び出せない。
よつばは食べられる獲物にしか興味がないので、元々ドラゴンは狩りの範囲外だ。
キングは今のところ、「空間転移」しか使えない。
まぁ、ほかの猫達の事を考えれば、キングもそのうち新しいスキルが使えるようになるだろう。
「気をつけて、行っておいで」
暗くなっても猫達には関係ないから、しばらくは戻ってこないだろう。
のんびり、コーヒーでも飲みながら待つとするか。
「静かだねぇ……」
それにしても、いろんな神様がいるものだ。
今まで女神様としか話した事がなかったけれど、みんな、自分の護るものを大事に思っている事には変わりがなかった。
「……」
穏やかな性格のドラゴンちゃんの襲撃。
百年ぶりのクラーケンの出現。
数十年前に姿を消したはずのフラーの大群。
火山の封印のための魔方陣の損傷。
全てが不自然だ。
その内、少なくともクラーケンと魔方陣の二つには古代神語が関わっている。
「……」
誰が、何のために?
今まで何度もよぎった疑問だ。
ばれないように行動しているところをみれば、守護している神様達を敵に回したくはないのだろう。
んー?
そういや、魔導の塔のやつが古代神語らしき言葉で呪文を唱えていたな。
あの頃は理解出来なかったから、何を言っていたかは分からないが。
「……ん?」
空気が震えるような咆哮が聞こえてきた。
ばっさばっさという羽音が近付いてきている。
……嫌な予感がする。
やがて見えてきた巨大な影。
あれは、もしかして、くぅ達が探しているドラゴン……。
何で、よりによってここに現れるんだよ!
私、戦闘力0なんですけど!?




