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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。 もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?  作者: たまご
第四部 地下迷宮

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復元。

魔方陣は、なかなか復元出来なかった。


私の古代神語スキルが低いせいもあるだろうが、おそらく、魔方陣に流れ込む魔力が足りていないのだ。


回復系とはいえ、チャビの魔力は高い。


それでも、噴火を鎮めるにはまだ足りない。


んー。


「くぅ、『土魔法』」


「ええ! 大丈夫なのかい?」


サナが慌てて止めようとした。


「チャビとくぅは姉弟だから、魔力の質が似てるはず」


くぅの魔力が、うまく融合出来れば……。


「なぁぁぁぁ!」


くぅがひときわ高く鳴くと、足元から地面が波打った。


え、これ、噴火の方じゃないよな……?


チャビのごろごろが、波打った地面の所を中心に復元を始めていく。


魔方陣の光が強くなってきた。


もう少し、もう少しだ。


「!」


地面が激しく揺れた。


天井から落ちて来るのは、もはや土埃ではなく石の欠片だ。


「にゃあああ!」


せりが、大きな声で鳴いた。


「つかさ!」


「危ない!」


サナ達が叫ぶ。


岩が!


巨大な岩が転がり落ちてくる!


「チャビ、逃げて!」


出来るだけ遠くに、チャビを放り投げる。


「りゅうた……」


ダメだ、間に合わない!


私は身体を縮めて、ぎゅっと目を閉じた。


ちりん、と小さく鈴の音がした。


「つかさ!」


「……?」


サナ達が駆け寄ってきた。


「今、何が……?」


「こっちが聞きたいよ!」


「その腰にぶら下げていたのが光ったら、岩が消えた」


ナルシの言葉に、私は無意識に腰に手を当てた。


腰には、護符をまとめて下げている。


虫除けに、天候に恵まれる護符。効果がイマイチ怪しい金運の護符。


それと。


「お稲荷さんの御守り……」


三回まで身代わりになってくれる、そう言っていた。


これがなかったら、今頃……。


チャビがぽてぽてと走ってきた。


「チャビ、投げてごめんね。大丈夫だった?」


ぎゅうっと私にしがみつき、チャビはごろごろとのどを鳴らした。


あ、これ、ヤバいやつだ……。


「サナ達は離れて!」


「え?」


「チャビが暴走する!」


免疫のある私達は平気だが、それ以外の人間は子供に戻ってしまう。


「炎の竜の寝床まで戻るぞ!」


「親父、早く!」


「ワシはいいから先に行け!」


チャビを中心に、魔方陣が光を増していく。


削られていた文字が復元を始めた。


《炎の竜との契約を交わす》


《火の神の娘の力を贄に、炎の竜は永き眠りにつく》


《火の神の娘の血が絶えた時、約定は消え失せる》


魔方陣が完全に復元されたその瞬間。


おおぉぉぉぉっ、とまるで竜のいななきのような音がした。


間に合った……。


「チャビ、えらい!」


私は思いきりチャビを抱きしめたが。


「みゃ!」


「ぐぇ!」


苦しいと暴れたチャビに、みぞおちを蹴り飛ばされた……。



















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