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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。 もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?  作者: たまご
第四部 地下迷宮

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猫の目。

「少しでいいんでぇ、水と食べ物を分けてほしいんですけどぉ」


……根こそぎ奪うつもりでいるくせに。


テントの入り口を開けると、おこんが飛び出して行った。


「うわっ! なんだ!?」


「おこん! やってしまえ!」


盗賊の顔に飛びつき、おこんがめちゃくちゃに引っ掻いた。


「ぎゃあああ!」


盗賊が悲鳴を上げて、顔を押さえる。


おこんは素早く飛び降り、明かりの届かない暗闇に身を潜めた。


こっちの世界に来てから、猫達はすっかり狩りの達人になってしまった。


「気をつけろ! 何かいるぞ!」


「てめえ!」


ふん、出てきたか。


「りゅうたろう!」


虎ほどの大きさになったりゅうたろうが、盗賊どもに飛びかかる。


「うわあああ!」


「なんだ、こいつ!?」


身を潜めるために、明かりを用意しなかったのが仇になったな。


猫達には、テントから漏れる明かりで十分だ。


暗闇で、人間が猫に勝てると思うなよ!


おこんは盗賊どもの顔を引っ掻き、また素早く暗闇に身を隠す。


りゅうたろうは、大きさをいかして前足で叩きのめす。


「ぎゃあああ!」


「この野郎! どっから来やがってんだ!」


やつらにしてみれば、暗闇から正体の分からないものに襲われている状態だ。


さて、どうするか。


捕まえると、一度戻らなくてはいけなくなるから面倒だ。


かと言って、見逃すのもなぁ……。


んー?


また、アレでいいか。


「りゅうたろう、壁の方に追い込んで!」


りゅうたろうが、盗賊どもを殴り飛ばして壁際に追い詰めた。


「おこん、『創成魔法』! でっかいペットゲージ!」


がしゃんっ、と音を立ててペットゲージの中に盗賊どもを閉じ込めた。


「なんだ!?」


「出しやがれ!」


出すわけないだろう。


あ、そうだ。


「大剣使いの男の人と、槍使いの女の人の二人組を見かけなかった?」


「ああ?」


「見かけても言わねぇよ、ばぁか」


……まだ立場というものを分かっとらんようだな。


「あー、私、忘れっぽいからなー」


「あ?」


「このまま、捕まえた事とか忘れそうだなー」


「な!?」


私の言葉に、盗賊どもはぎょっとしたようだった。


「てめえ、まさか、俺達を置き去りにする気か!?」


「誰か来るといいねー」


「ま、待て! 二人組だろ!?」


「炎水晶の所で見たぞ!」


盗賊どもが、慌てて騒ぎ出す。


「炎水晶の所って?」


「この奥だ!」


「いつ頃?」


「確か、十日前くらいだ」


……少なくとも、十日前までは順調だったようだ。


「腕が立ちそうだったから、手を出さなかったんだよ」


「な、なぁ、教えたんだから、出してくれよ」


いや、出さねぇよ!


「はい、これ」


水とパンの入った袋を、ペットゲージの中に放り込む。


「なるべく、忘れないようにはするから」


「……ふざけんなぁぁぁぁ!」












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