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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。 もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?  作者: たまご
第四部 地下迷宮

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空の災い。

せりが、耳を伏せたイカミミ状態で毛を逆立てた。


「気配察知」だ!


「うわぁぁぁ!」


悲鳴だ。近い!


「りゅうたろう、大きくなって!」


肩からひらりと飛び降りたりゅうたろうは、虎ほどの大きさに姿を変えた。


「行くよ!」


悲鳴は、町の外れにある牧場から聞こえてきていた。


駆け付けると、巨大な鳥が牛を襲っていた。


この世界の牛は、向こうより二倍は大きい。


翼を広げた鳥は、その牛よりさらに大きかった。


羽毛は青く、尾羽の先だけが白い。


くちばしではなく、鋭い牙の生えた大きな口がついていて、真っ黒な目は妙に小さい。


「あっち行け! あっち行け!」


牛の近くで、子供が泣きながら木の棒を振り回していた。


「りゅうたろう!」


りゅうたろうは身体の大きさを変えると、鳥に向かって跳んだ。


鳥の首に噛みつき、そのまま地面に押さえ込む。


「大丈夫!?」


「牛が、うちの牛が……!」


牛は身体中に傷を負っていたが、気丈に首を高く上げて立っていた。


そういえば、こっちの牛は気が強いんだった。


ワイルドボアと戦って、勝つ事もあるらしい。


「チャビ、『回復』」


ごろごろと、チャビがのどを鳴らし始めた。


それにしても、見た事のない鳥だな。


少なくとも、猫達のお土産の中にはいなかった。


鑑定スキルを使ってみたが、?マークが出てきただった。


うーん、私の鑑定スキル、レベル1だからなぁ……。


ギルドに持って帰れば、何か分かるかもしれない。




「これは、フラー……!」


鳥を見たおばあさんは、そう言ったきり絶句してしまった。


「フラー?」


「……災いを呼ぶ鳥と言われているの」


おばあさんは、ため息をついた。


「家畜も作物も、何でも食べてしまって。……もちろん、人も」


「!」


「ここ何十年も目撃情報がなかったから、とっくに絶滅したものだとばかり思っていたのだけれど」


おばあさんは、もう一度大きなため息をついた。


「なにより恐ろしいのは、フラーは群れで行動するの」


「群れ……?」


私が見たのは、この一羽だけだ。


ほかのフラーは、どこにいる……?





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