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コトワリ
四、五ぐらいの視線が刺さる。
その冷たさで体が強ばり凍てついていく。
永遠にも感じられたその時間はクマの声によって終わる。
「今日、またウシナッタモノがいる」
あたりがざわつく。
「落とし物はクロに預けた。多分もうちょっとで帰ってくると思う。そしたらみんなで集まって欲しい」
クマの声はあたりに響き静寂を生む。
「ボクはちょっと案内してくるよ」
そして逃げるようにタマリバを後にした――。
「ここは何なの?」
さっき拾った棒で下に書く。
「わからない」
「誰にもわからないんだよ」
「ただ一つわかってるのはここで死ぬとさっきみたいなモノになる」
「もちろん寿命もある」
「ついでに言うとキミも後五分ぐらいでそうなるよ」
突然の余命宣告に頭が追いつかない。
「ついたよ」
前にはそうなったものが群れている。
「今度は見てて」
そうクマが言った瞬間クマの頭が裂けて中から闇が膨れ上がる。そして、モノを飲み込んだ。