5 お腹ペコペコ
思い出す事をとにかく書き出す。
夢中になって床に腹這いになり書き出してた、
いつの間にか辺りが暗くなってた。
まだ途中だったがお腹が減った。
ばあちゃんはそう言えば家にいる?
台所を見るとボーとしていたばあちゃんを見つける。
ヤバい、ばあちゃんにかまってあげなきゃいけなかったか!
「ばあちゃん!お腹ペコペコ」
わざと自分のお腹を叩く。
はっとばあちゃんは顔を上げ、びっくりしたようにこちらを見てる。
「あ、あ、そうだね、もうそんな時間かい?」
ばあちゃんはキョロキョロと首を動かし、びっくりしていた。
「なんかする」
手伝う事があるかもと腕まくりをしてばあちゃんに近づくが、にっこり笑顔で台所から追い出された。
腕まくりをした腕の長さに仕方がないかもと思うが、悔しい。
ななが手伝った記憶もないし、ご飯を作る所をちゃんと見た事がないって気付く。
うん、分かる事をしよう。
ばあちゃんが動き始めた。
手を動かしてたらなんとかなる、止まって時間だけが過ぎていくのより全然良い。
さあ、次はじいちゃんだ。どこにいる?
扉を開けていく、一軒家の小さな建物はすぐ終わる。
畑が広がる庭にいた。
庭に面した大きな引き戸をドキドキしながら開ける。
こんな大きなガラスを割れないように戸にするって凄いなと感心する。
機会があれば作ってみたい。
「じいちゃん、お腹ペコペコ」
ばあちゃんに見せたようにお腹を叩く。
じいちゃんもぼんやりしていた顔がびっくりしていた。
二人とも驚いていたが、私が大きな声を出すとは思ってない?
「おお、」
と言って、何か考えて庭にあった草を引っこ抜き、その大きな根っこをじゃぶじゃぶ洗った。
確か大根って言ってた?そんなでっかいの食べられないよ?
鉈で葉っぱを切り落とし、適度な大きさに切った大根を差し出した。
これを食えと?野趣あふれ過ぎ~
幼児には大きい大根の塊にかぶり付く、シャリシャリ噛み砕く、美味い。
うん、今までの記憶の中にある野菜の甘さと比べても上位に入る。
じいちゃん農夫だった?野菜栽培上手だね。
シャリシャリと食べているとばあちゃんが近づいてきて、又びっくりしていた。
じいちゃんが残りの大根を無言でばあちゃんに渡し。
ばあちゃんは無言で大根を持って行くと、じいちゃんは私の隣に座って私を見つめる。
私はじいちゃんの視線にもしかして食べたい?食べ掛けの大根を差し出した。
じいちゃんびっくり顔、食べ掛け嫌か~?
私は首をかしげ、受け取らないから全部食べた。
その後ご飯を食べながら寝そうになり、ばあちゃんとお風呂に入るが、石鹸にも感激し、神に祈りを捧げるのをばあちゃんに邪魔され、お湯をかけられた。
バタバタとお布団に入れられて、すぐに寝てしまった。
ああ、幼児は寝てしまう、辛い、やることいっぱいなのに。