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ここもアキラ目線です。

どうにか、ななの祭りの目線を書いてると、楽しめよ!って思いますが…

書いてて、アキラが可愛い…


ななにとって、この祭りは大切なので、少しまどろっこしくなるかもしれませんご免なさい、37話以降に魔素とか出てきます。なながアキラのこと早く友達って言ってやれよ!って思うのですが…なかなか、なながクセが強く思てたように動いてくれません…

俺はななの家に行った。

そしたら、やっぱり家にいて、祭りが自分には関係ないって雰囲気だった。

仕方がない、俺がこいつに祭りの楽しさを教えてやるって改めて思えた。

しかし、こいつはやっぱり、変だ。

直ぐに横道に入ろうとするし、足音がしないし、目を離すと、いると思った場所に居ないし、猫みたいな奴だ。


祭りの音が聞こえてくると、自然に早足になるって自分でも分かる。

だって、なながやたら遅いからだ。

人が増えて歩くのも気を付けないと分かっているが、足は勝手に動く、ゆっくりなんか動けない。


じいちゃんに出会って、ななを連れ出した事を誉められた。

そうだよ、俺がこいつの面倒をみてやるんだから!


しかし、はやる心をアイツが危ないからと言って、手を掴んだ。

俺が危ないのかな?回りが気を付けているから大丈夫だろ?とも思うが、アイツの手は有無を言わさない力があった。


まあ、良いか、最初は焼きそばだ。俺は一人前を食べたらお腹いっぱいになる。


ななはよく食べるから、半分こで良いよなって思ってたら、いらないって言われた。

俺の祭りの予定が崩れていく…


これ全部食べたら他が食べられない…


不意にサトシ君の声がした。なんと言われたか分からなかったけど、振り向くと久しぶりのサトシ君とケンちゃんとナオ君がいた。


もしかして、初めてサトシ君から声をかけられた?俺は嬉しくて、名前を呼んだ。


「サトシ君」


3人とも機嫌悪い?俺は変な事をしてないよな?

最近遊んでくれない一才年上の3人組を見る。


「なんで最近来ない!」


「えっ?前運動会の練習があるから一緒に遊べないって言ってたよね?」


「いつもそんなこと言われても来るだろ。今日も来ないし!」


「えっ行って良かったの…」


俺が行っても俺を無視して学校の女子の悪口で盛り上がってるのに…

前はそれが当たり前で、そばに友達がいるってだけで嬉しくて、そんな話を聞きながら、女なんてって思っていた自分もいたが…


「だけど、今日は母ちゃんに、ななを頼まれているから…ななも一緒で良い?」


「なんだよ、こんなチビが一緒?ななって女だろ?こんなガキが一緒って嫌だよ」


なんだか、カチンときた。

確かにこいつは俺より小さいし、女だし…男じゃないし…一緒じゃないけど…


父ちゃんや母ちゃん居ないのに、俺よりスゴいんだ、変な奴だけどスゴいんだ!


ななが一歩ひく…


「私は帰るけど…」


「なんだよ、せっかく来たんだから!ななを一人にさせるのはダメだから、俺はななといる!」


ななは俺をバカにしない、オヤツだって、サトシ君みたいにかすめ取ったりしない、分け与えてくれる。俺をなんだかんだと無視しない。


ここで、ななを一人にしたら、ななと友達にはなれない。


「私は一人で良いよ、こいつらお前の友達。」


「ななとも友達だ。」


そうだよ、俺はこいつと友達になりたいんだよ!


「アキラ、お前、そんなガキといて、女の遊びが好きになったのかよ~」

「おままごとがちゅきになったんだ~」

「女なんかといて、恥ずかし~」


三人組が囃し立てる。

なんで?サトシ君達はななを知らないのに簡単に悪口言える?

意味が分からなかった。


イライラ顔をしたサトシが俺の肩を掴もうとする。

俺は無意識に逃げると、サトシ君の手が俺の焼きそばに当たった。


サトシが焦った顔をしている。


ゆっくり落ちる焼きそばはサトシ君から拒否された俺への気持ちみたいだ…


だけど気づいたら、ななが俺が落とした焼きそばを持っていた。


いつの間に?


「危ないだろ?」


なながサトシ君達をチラリと見て、俺の顔を真っ直ぐに見た。


「アキラ、今は焼きそば食べる、次から箸別だ。次たこ焼き?」


ななが俺の手を引っ張った。


「うん」


俺は焼きそばと一緒に俺の気持ちも助けてもらったように感じて、嬉しくて泣きそうになった…

ななと友達になれたよな?


ななが不味そうに焼きそばを食べる、あれ?焼きそば嫌い?悪いことをしたかな…


「ばあちゃん、」


ななが言った。顔を向けるとななのばあちゃんが立っていた。


「あら、スゴい、ななが出てきた!」


ななのばあちゃんはニコニコ笑って、ななを撫でている。

そうだよな…ななのばあちゃんも、ななにお祭り楽しんで欲しいよな…

ななの無表情にめげそうになるが、大人達の顔を見て安心した。



「アキラ君ありがとう!ななを連れ出してくれて!はい、たこ焼きとお小遣い二人で使って!」


じいちゃんからも貰ったし、良いのかな?もし、余ったら、今度ななを駄菓子屋に誘おう、絶対こいつなら行ってない。


「たこ焼き2つも要らないよ、俺は1つも食べられないから」


「あら、アキラ君って少食?その割りに体が大きいのね、食べられなかったら、ななが食べるわよ」


貰ったたこ焼はホカホカで、とても美味しそうだ。


「ありがとう!ななの?えっと…」


いつも困る、ななのばあちゃんはばあちゃんって感じじゃないからだ。


ななのお母さんが居ないから、ななのお母さんって言いそうになる。


でも、言ったらダメだよなっていつも思う。


「あら~、アキラ君って良い子ね、言い方を悩んでくれるの?じゃあ、千代ちゃんって呼んで、」


「えっ?」


それは違うと思う。


「だって、徳さんって呼んでいるんでしょ?うちのじいさんの事?だったら千代ちゃんで良くない?」


「ばあちゃん、からかい過ぎ」


「あはは、ななに怒られた。北田ばあちゃんでも千代ばあちゃんでも良いよ、呼びやすいように」


なんだか、しっくりこない…じいちゃんはなんて呼んでる?


「考えとく…」


たこ焼は思った通り美味しかった。思わず全部食べてしまった。

だって、ななが美味しそうに食べるから…ついつい…


悔しかった、楽しみにしていたわたあめが一口しか食べられなかった。

家に持って帰っても、明日にはベタベタのしょんぼりになる…


ななは食べるかな?ななに食べるか聞こうと横を見ると、猫が逆毛をたててるみたいな顔をしている…


警戒?俺が見ているのに気付くと、ビクッと体を震わせ、手を出し無言でわたあめを受け取る。


こいつわたあめが怖い?


恐る恐る一口食べるなな…


固まっている…どうだった?

もう一口食べる、無表情で食べ続ける…あっと言うまに食べちゃった…


大きな鼻息をふーーと吐いてる。


表情は分かりにくいが耳がうっすら赤くなっている。美味しかったのかな?

連れて来て、良かった。


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