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4 ペンもどき

魔素溜まりとか、魔法とか魔石とかも、ななの記憶にはない。

しかし、私は当たり前の知識として知っている。


前世?の記憶はあやふやな部分があり、はっきり分かる事がある。

バランスが悪い。


少し整理しよう、紙やペンはないか?まわりを見渡す。

紙はある、本もある。しかし、文字が読めない。


『不思議な文字』


今、前の言葉で喋れた?うん、喋った。

なんだかホッとする、耳から入った言葉が私がおかしくないと言ってくれたように感じた。


ななとしての記憶を思い出す。自分のおもちゃ箱と認識している入れ物をとりあえず探してみる。紙はあった、しかし、ペンがない色を塗る?やつはある。


ななとして書いた前の紙を見ると、色とりどりな落書きがいっぱい書かれてた。

紙がもったいない。

こんな紙を贅沢に使って、貴族か!

こんなに紙を無駄遣いしたら殺される。


血の気が引くってのはこんな状態だと冷静に考える自分がいる。

ふと、ななとしての記憶が冷静にさせてくれた。


何回もお母さんやばあちゃんに見てもらった記憶がある。思いだして良かった。

どうやら紙に対しての価値観が違うと思える。

後少し遅かったらばあちゃんに土下座に行く所だった。

冷静に思い出せ、ばあちゃんやお母さんは何で書いていた?


ご飯を食べた部屋に行き木の棚の引き出しをひとつ引く、ペンがあった。

ペン?正しい呼び方は分からないが、何回か使っているのを見たことがあった。


そのペンとセットの消しゴムってのもあった筈だ、引き出しを探り小さな白い塊を見つける。

確かこれでお母さんが書いた文字を消して、ダメだと言われた記憶がある。


こんなもので消せるのかとじっくり見る。

私には鑑定の才能はない。

錬金術の解析をしてみるが、素材が未知の物なのか失敗した。


失敗?この世界の素材を勉強をしたら、できるかな?

しかし、今の私に何が出来るか…

とにかく動け、固まってても何も始まらない。


ペンもどきを使ってみる、手の感触は木だ、先が黒色の木炭みたいだ。

紙に書いてみる。感激だ。


一言で言い尽くせない、紙も滑らかで、引っ掛かりもしない素材は何だ?

インクを付けることもしなく線を書けるなんて、ダンジョン産の魔道具みたいだ。


感動で固まってしまった。神様、ここは天国ですか?

もしかして生まれ変わって、未来か?はたまた死んで天国か?


神に祈りを捧げる。

アラットの神よ、ありがとうございます。

この世界に何をするために我が身があるのか、神託が聞ける、聖女ではないので教えてもらえないでしょうが、感謝いたします。





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