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昨日、ばあちゃんが話してくれた時に私は別に私の意見は言わなかった。


ばあちゃんに何かを言った方が良いように感じて、悩む。


ばあちゃんがまだ、なんか言いたげ?な雰囲気が半端ないからだ。

気のせい?なにかしら私も言った方が良いんだろうなと思った。


ばあちゃんが悩む事が悩むのですが…どう言えば良い?

うーん、難しい、素直に感じている事を話すのが良いとは思うが…


「ねえ、ばあちゃん」


晩御飯を食べるばあちゃんに声をかける。


「なんだい?」


「私は、ばあちゃん、じいちゃんの事が好きだから」


「へ?」


私の突然の言葉にばあちゃんが止まる。

言葉に出すのは恥ずかしいけど、気持ちなんて言わないと分からない事は、知ってる。


「私は大好きだから、ばあちゃんも、じいちゃんも、島も、みんなも、私が守りたいから」


どう守るなんか言うつもりはない、だけど、守りたいと言う気持ちを伝えたい。


逃げたい時もある…投げたして何も考えたくない時もある…


だけど、守りたい気持ちの方が強い。


「守りたいって、えらい大層だな」


隣でじいちゃんが呆れた顔をする。


「まだまだ、守られる立場だお前は!」


じいちゃんは私の頭をガシガシと撫でる。

私は頭がグラグラしそうなのをグッとこらえ。


「じいちゃん、メッ!」


ごはんの途中で、それも納豆の皿を持ちながら頭を撫でるのは危険だ。


「メッってなんだ?言葉が足りねぇ、ちゃんと言え!」


じいちゃんに言葉が足りないなんて言われたくない。思わず冷たい目で見る。


「プッ」


ばあちゃんが笑った。


「なんだぁ?ばあさん、ななが言いたい事が分かるのか?」


ばあちゃんはニコニコ笑って


「分かりますよ、じいちゃんの事が大好きってね」


「なんだぁそりゃ、それが何故にメッになる!」


じいちゃんはプンプン怒っている。


私とばあちゃんは顔を見合わせて、笑った。


うん、何となく伝わったかな?




「しかし、守りたいって、戦姫の話でも誰かに聞いたか?」


じいちゃんが不意に話を変える。


「戦姫?」


「違うのか?昔話で、ここら辺に悪徳領主がいて、そん時にやんごとなき姫様が神様に祈って神通力で、その悪徳領主をやっつけたって昔話だ。」


「やんごとなき?じんつうりき?」


「やんごとなきはスゲー偉い人って感じだ、神通力は風やら海の潮とかエイヤって、神様に祈って自由自在に動かす力を言うんだ。」


「スゴいね」


じんつうりき?は魔法みたい…或いは、お母さんが祈った時の力?


「そうさーその戦いの名残で、姫島の周りは潮の流れが未だに複雑だって話だ。」


「ひめじま?」


「そうだ、姫島の回りには複雑な潮の流れがある。上陸するにもコツが必要でな。それを戦姫様は上手く使って、悪い奴等から人々を助けたそうだ。まあ、本当かどうかわ分からねぇが、あそこの潮の流れは難しい。」


「ななちゃん、おとぎ話だからね?姫島の回りの海流が複雑で船が何隻も沈んで、出来た話らしいから!」


ばあちゃんは私に念をおす。

私はばあちゃんの迫力にコクコクとうなずく。


しかし、ひめじまに興味が湧く。


「じいちゃん、ひめじまには行けない?」


「無茶言うな、俺の船なら底が付く、小さなエンジン付きボートで行くかだが…潮を見極めるのは難しい。俺くらいしか無理かもな…だが、俺は行かん。」


断られてしまった。


「じゃあ、ひめじまは何処から見える?」


「鷺ノ山の山頂の展望台からなら見えるか?」


「さぎのやま?」


「裏山の事だよ。展望台はまだあるかぁ?最近行かなくなったから、まだあるか分からないけどなぁ、しかし、行くのは意外と大変だぞ、遠回りしか道はないから、ここからだと3時間はかかるかぁ?一人で行く場所じゃないからな!」


そうかぁ~じゃあ、ミオと一緒なら大丈夫かな?お守り完成したら、山頂目指そう。


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