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7 カスミばあちゃんが…

やっとなな目線です。第2章1より時間は3ヶ月は戻ります。ななが振り返った記憶もあるので、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

もうすぐ暑い夏だ。

忙しくてやんなるくらいだが、やらなきゃならない事がいっぱいだ。


魔術の研究は一進一退だし、何回挫けそうになったか…


金剛石の形成が上手くいったと思ったら、一番最初のは小さすぎて魔素もほとんど吸収できず。


もしかして魚の血なら魔力が有るかもと、魚をさばくやり方を教えてもらい、調べたら、嬉しい事に有った。


しかし、魚の血の魔力が魔方陣を書くには、個体差があり、強すぎたり弱すぎたり不安定で、劣化が早すぎるし、なかなか上手くいかず。


一度血で魔方陣を書いて、お地蔵様の所で魔素を直に流したら、魔方陣が燃え上がった。

たまたま、誰もいない時で良かったが、あれはびっくりしたな。

まあ、紙とインク代りの血の魔力がバランスが悪かったとは思う。


魔方陣用の紙はまだ開発してない…今ある市販の紙が下手に滑らかで、インクが乗りやすく、大量な魔素を扱うまでは、取り合えず代用出来るからだ。


ようやく、ガラスを錬成したらどうかと思い付き、じいちゃんの一升瓶を錬成し、劣化予防の魔方陣をガラスの皿に形作り上げ、血抜きを研究し、どうにか、劣化予防出来る瓶も作れる迄になった。


そして、毎日、お地蔵様の所に行き、掃除した後、人が踏まない場所に事故防止の魔方陣を地面に書いておく。

ガラスの魔方陣だと、どうしても少し大きくて、工夫しないと見付かったらやっかい?かもしれないので、今はまだ毎日地面に直に書いている。


まだ小さな金剛石しか作れない為に少しの魔素しか利用出来ない。

だが、バランスが大切なので魔方陣を魔素を使わず地面に書いているのが丁度良い。

もし、力を使ったら数日も魔方陣の効果が効かないのは厄介だが、今はどのくらいの力が1日に必要かの参考になるし、良いだろう。


5才の誕生日にはインクをダメ元で頼んだら、万年筆用と書道の墨汁が貰えて、これで魔力の調整を出来ると喜んでた。


あの時は浮かれてたな…



春になり、インクの研究も後少しって頃、


魔素による、病気を発見してしまったんだ。


私はもっと早く気付いてあげれたら、カスミばあちゃんはしんどい思いはしなかったと思うが…早く気付いてたとしても、上手く対応出来たか自信はない…


カスミばあちゃんとは5才過ぎまで、濃い魔素の中でしか会ってなかった。

そのせいもあり、気付かなかった。


しかし、この濃い魔素の中で毎日のようにカスミばあちゃんに出会い、一緒にお地蔵様にお参りし。

いつの間にカスミばあちゃんの体に入り込み蝕んでた魔素を気付かなかったのは、やっぱり心が苦しい。


お地蔵様の近くではない道端で会った時には、カスミばあちゃんが魔素溜まりを連れていると思った。

それくらいの存在感があった。


ほっとけばきっと体を動かすにも支障が出てくる筈だ。

今も大丈夫だと言ってるが、観察すれば息苦しさを感じ始めているようだ。


一番魔素溜まりに近く住み、ほぼ一日家の中で暮らすおばちゃんに魔素から出来るだけ離れる様にと言うのは無理だった。


信仰心って何だろうか?

神の声を聞けなくても、病気を治してくれなくても…信じるって…


お参りに来る事が余計に血を、肺を、蝕む結果になるのは…どうなんだろう…

カスミばあちゃんはお地蔵様を信仰し、心の拠り所としている。


何故にこの場所に魔素は溜まったのか、分からない。

今、新に流れ込む魔素は確認出来てない。


見てないタイミングで入っているのか…

1人での作業には限度がある。


魔素が溜まったから、お地蔵様を作ったのか、お地蔵様の力や祈りの力が魔素を溜めたのか…


魔素が何がどう作用して、事故やカスミばあちゃんの血や肺に悪作用しているのか…この世界の言葉やことわりをある程度分かっても分からない。


前世も下手な魔力が体を蝕む事はあった。

しかし、魔素が勝手に体に入り込むなんて…思い出せない。


確かに前世では濃い魔素の中で息なんか普通にするのも困難だったが、ばあちゃん達は平気そうにしているし…

魔法が存在してないこの世界は、まだまだ分からない事だらけだ。


カスミばあちゃんを助ける事は出来るだろうか…魔素の流れを見て見ると、血の流れを阻害しているようだ。


前世で近い病気なら、魔力暴走だろうか?

魔力を上手く操作出来なくて、自分の体を傷つけてしまう。


魔力暴走の時に使う魔力操作の補助となる魔法具は、材料がないから作れない。

まあ、材料があっても下手にカスミばあちゃんを魔女には出来ないけど…


カスミばあちゃんの血や肺に入り込んだ魔素をどうにかするには…


安定した魔方陣を何かに刻む必要がある。

これ以上余分な魔素を取り込まないようにし。

体に入り込んだ魔素を除去するか、良いように運用するか、邪魔にならないように馴染ませるか…どれが安全で体に影響が少ないか…


いざとなったら。指輪を使うか?人の命にには変えられない。

でも、指輪を使うのは恐い。お母さんの声が聞こえなくなる事は嫌だが…


それより、あの指輪は強い力に対応出来る媒体だ。

それ故に、強い力が起こしてしまう可能性がある、制御出来るか…まだ分からない。


もっと、魔法に馴染みがない体にも、優しく作用し、傷つけることなく、無理を働かないそんなお守り。

ガラスを使った魔方陣はどう作用するか、まだ検証不足だが、このままだとカスミばあちゃんは死んでしまう。


とにかく、やるしかなった!



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