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やっぱり幼児の体は睡眠は必要不可欠だと感じる毎日だ。
やる事はいっぱいだか、出来る事は少ない。
とりあえず、必死に魔方陣の練習から入った。
お腹が空くまで、毎日頑張った。
紙が勿体無くて地面に書く、彫るタイプなら違う練習が必要だけど、書けもしなくちゃ論外だろう。
魚の骨をばあちゃんの目を潜り抜け、隠す事も頑張るが、なかなか上手くいかない。
庭で毎日魚を焼くのが大変だからって、煮るやら、刺身やらするようになったが、できたら加熱していない骨が欲しい。
三歳児には説明も難しいのでこっそりとするので、骨を綺麗に洗い乾かしてから錬金術で錬成するってなかなか難しい。
ゴミ箱から出そうとしたら、ばあちゃんに見つかり。
ゴミ箱が空っぽだったり、どうにか手に入れて、庭に隠していると猫に取られたり。
なかなか成功しない。
この前なんか、骨を錬成して筆にあと少しの所で、予備を含め2本をじいちゃんにいつの間にか見つかり、焼き芋を作るときの菜箸として焚き火の灰に刺された。
そのせいで、魔力の崩壊をして魔法具として機能しなくなった時なんか、思わず前の言葉でじいちゃんに怒ってしまった。
ああ、今思い出しても怒りでプルプルする。
あの時の芋は美味しかったけど…庭に隠していた私がダメだけど…
錬成に必要な魔力も前は、魔力を貯めた魔石を買ったりして錬成していたのに今は魔石自体がない。
だから今はチマチマと庭にある少しの魔素で作業している。
この世界で錬成が少しずつでも出来る事は感激だったが、一向に進まない。
更に困った事に幼児一人で庭以外を好きに行かせてくれないのだ。
お地蔵様の所で作業出来たら、あっと言う間なんだけど…
お地蔵様の所は人目があるから目立つ作業は出来ないし、一人で行くのも出来ない。
魔素を魔石を使わず、持ち運ぶ方法を知っていれば良いが、私は知らない。
魔石がないから魔石の代わりになる石が必要だ。
しかし、蛇口から水を出した時に凄い技術とびっくりして。
あの時はまだ魔法や魔石で水を生成しているか、水を汲みに行っていると思ってた。
ばあちゃんに質問攻めしたら、水は地面の下の管を通ってきてると聞いてびっくりし。
台所の火はプロパンガスという燃えやすい気体を使って火を起こしていると聞いて、
ガックリしたやら技術力に感動したやら…
空を飛ぶ鳥に魔石の力はどうやっても感じず。骨を狙う猫にも、近所の杉山さんの犬にも魔石の存在は認識出来なかった。
どうやら身近に魔術や魔石はない。
ばあちゃんの回りにキラキラ魔素が反応したのも考えたら、一番手軽で確実なのはお母さんの指輪だ。
しかし、お母さんの指輪の石を利用はしたくない。
もう一度お母さんの声を聞きたいが、下手に触って消えても困るので、毎日袋を開けて覗きこむしかしてない。
もう少し研究が進み、この世界の法則が分かれば又お母さんの声を聞きたい、お父さんらしき人をもう一度見たい。
指輪の石は何かは分からないが、無垢な石であろう。
庭に転がる石を拾っては捨て、拾っては捨てを繰り返す。
魔石に代わる石なんか転がってないだろうが…
石、石、石、石、石、石…
ふと思い出した。
自然発生ではないダンジョンを望んだ場所に創る研究を思い出した。
慌てて思い出した事を書き留める為に部屋に戻る。
ななが鳥にどうやっても魔石の存在を確認出来なかったと書いてしまった。この三才では無理だろう思うのですが、要らない想像をしてしまう私を許して下さい。書きません、ななは基本的に、食べられると思ったらワイルドです。