プロローグ
初めて書いてみたので、生暖かく見て下さい。
この世界にポーションがあれば良いのにと現実逃避の作品です。
今日、お母さんが亡くなった。
呆気なく、私とじいちゃんとばあちゃんを残し、一人で死んだ。
事故死だ。
葬式の途中、じいちゃんに抱っこされ、気を失ったように寝た3歳児には何も出来なかった。
何をしてたんだと、布団から起きた自分を呪った。
もし、私が少しでも早く私であればお母さんを助けることが出来たと思う。
三歳児の小さな手のひらを握りしめる。
イヤ、待てよ、あれ?じいちゃんとばあちゃんは?って?
私は何故三歳?なのにこんな事を考える?
あれ?なんだかチグハグな感じがする?私って三歳?
そんな筈はない?
イヤ、夢?じいちゃん、ばあちゃんやお母さんは居なかった。
子供の時は父ちゃんと二人暮らしだったよな?
でも手のひらを見つめると大人とは違うぽちゃぽちゃな幼児の手だ。
記憶の子供の時は栄養不足で、がさがさだった。いつも腹を空かせた痩せぽっちなガキだった。
まわりを見渡すと、和室のなんてことない部屋だ。和室?ってなんだ?それは分かる。
どういう意味か分からないが分かる、三歳児はそんなもんか、となんだか納得してしまう自分が不思議だ。
「ななちゃん起きたかい?」
ふいに声がかかる、思わずうなずくが部屋の外からの声だと気付き慌てて答える。
「うん」
引き戸を開けてばあちゃんの顔がのぞく
「お腹空いたかい?」
ああ、ばあちゃんだぁ。
なんだか懐かしく思う、さっきまで一緒にいたのに…懐かしく、愛しく、悲しく、嬉しくてぐちゃぐちゃな感情。
三歳児のせいなのか感情が爆発しそうだ。
「ばあちゃん!」
気が付けば布団から飛び出し、ばあちゃんに抱きついてた。
「あらら、どうしたんだい?」
お母さんを亡くして、辛いはずなのに、ばあちゃんは私の事を優しくなでる。
何も悲しい事なんかないというように、優しく優しくなでてくれた。
私は言葉に出来ず、ただ泣き続けた。