14章までの『キーワード事典』
※ ネタバレを含みます。
本編14章をお読みいただいてからご覧下さい。
※ ★と「UPDATE!」表記があるのは、
すでに登場した事柄の情報更新案内です。
― 広隅市立図書館 ―
ハイリアと亜里奈が調べもののために訪れた、広隅最大の公共図書館。
2年前に改築・リニューアルされたばかりで、ただ規模が大きいというだけでなく、現代的に空間を広めに取るように設計されるとともに、内装も落ち着きのある洒落た感じで小綺麗にまとめられている。
多目的スペースなども充実しており、その性質上、美術展などがよく開催されているようだ。
また、本館だけでなく、敷地内が公園として整備されてもいるので、休日は家族連れやカップルなどでわりと賑わうらしい。
【 蔵書数:ハイリアが住んでいた城の書庫には劣る……とか 】
― 〈うろおぼえ〉 ―
広隅市柿ノ宮にある、こんじまりとした古書店。店自体も骨董品みたいに古い。
表向きは普通の古書店だが、実際には、魔術書や奇書といった、そうそう表の世には出ない類の稀覯書も扱っているらしい。
店主の老人三海松之助と、白城パパ、西浦は〈諸事対応課〉時代からの知り合いだそうである。
〈救国魔導団〉に〈世壊呪〉の情報をもたらした古書は、質草がこの店で見つけたらしいが……?
【 古本のお値段:下は10円から、上は(稀覯書の)億単位まで 】
― 『もう少しがんばりましょう』 ―
東祇小の通知表における、最低ランクの評価。
しかし、先生方もやはりなるべくコレを付けないようにと、基本的には他の良いところでフォローするため、まず使われることはないのだが……。
テンテンによると、残念ながら武尊の国語の成績はコレだったらしい。
そのレア度は大変なもので、同校卒業生の裕真も、イタダキの通知表でしか見たことがないのだとか。
【 武尊の他の成績:実は算数と理科と社会もヤバかった 】
― 北宿八幡宮 ―
北祇町の奥、賑やかな駅前から坂を上った先、小高い丘にある小さな神社。
地元以外ではそこまで有名でもないが、歴史は古くて参拝者もそれなり多く、お祭りなどは規模のわりに結構盛り上がるらしい。
八幡宮なので、祭神は当然ながら、武士と弓矢の神様、八幡神。いわゆる八幡さま。
神主はドクトルとは古い友人だそうである。
【 〈天の湯〉からの距離:自転車でだいたい15分ぐらい 】
― 神楽舞い ―
神を奉るために、神前で奏する舞楽。
大元を辿れば、天岩戸の前でアメノウズメノミコトが舞ったあの有名神事を起源とする、神官や巫女が神懸かり状態になることで、鎮魂や託宣を行うものだったそうな。
種類としては大きく、皇室・宮廷と関わりの深い『御神楽』と、民間の神社で行われる『里神楽』の2つに分かれる。
もちろん、ドクトルプロデュースの八乙女舞は『里神楽』で、中でも演劇的側面の強い、『出雲流』に近いらしい。
そして、その神楽舞いの下地となった広隅特有の伝説が表しているのが、〈世壊呪〉を祓うための儀式であることが、アガシーとハイリアの活躍によって明らかとなった。
【 見物客ウケ:相当良かった 】
★ ガヴァナード ★ UPDATE!
言わずと知れた裕真の愛剣。一応、武尊も使用者として認められてはいる。
聖剣としてアルタメアに伝わっていたが、本来は〈創世の剣〉であり、実は〈剣の聖霊〉たるアガシーの補助がなくても、チカラを引き出すことは可能らしい。
しかし、その本来のチカラは未だ未知数。
グライファンや変身セットのように意志があるのかと、裕真は凛太郎に尋ねてみたが、こちらはまったく『声』は聞こえなかったようだ。
また、裕真が〈創世の剣〉として意識しつつ、改めてそのチカラに触れてみると……まるで底が見えない深淵を思わせる、途方もなさだけが感じ取れた。
しかし『とんでもない』と分かるだけで、あまりに巨大なそのチカラにキチンと触れ、あまつさえ制御するのは、今の裕真でもそう簡単にはいかないようである。
【 真の攻撃力:???(上限不明) 】
― 桃太郎(アガシー妄想の) ―
アガシーによれば、神話や昔話に近代兵器を持ち込んだらどうなるかをモーソーするのがロマン、らしい。
一応そんなことを言い出した名目としては、神楽舞いの下敷きになっている伝説に妙に食いつくのを誤魔化すためだったと思われるが……単に、事実を述べただけの可能性もなくはない。
そんな、アガシーの妄想による『桃太郎』とは……。
――闇夜に紛れて忍び寄り、敵の喉笛を食い破る最強のアサシン、イヌ!
――上空より偵察と測量を行うキジとコンビを組み、樹上から一撃必殺を狙う百発百中のスナイパー、サル!
そして――無敵の強化外骨格に身を包み、高周波ブレードで敵を両断する、もはや鬼を超えた鬼神、桃太郎!
……らしい。
『イヌ一切兵器使ってないし、桃太郎はもうSFだから』と内心ツッコむ亜里奈だったが、何とドクトルの反応は『強化外骨格と高周波ブレードなら以前基礎理論を組み上げたし、ヒマがあったら作ってみようかねえ』……であった。
【 ドクトル科学パワー:実は既に〈能丸〉の装備に活かされてたり 】
― 〈嵐運動・斬〉 ―
ボウリング場を基本とした様々なスポーツ設備に加え、カラオケやゲーセン、ビリヤードやダーツといった屋内レジャーに、フードコートも備えた複合型アミューズメント施設。
全国に展開しており、広隅でもメジャーな遊び場の一つ。
学生向けサービスが充実しているため、学生さんからは特に人気。
そのロゴマークは、『汝、嵐の如く遊び斬るべし!』というナゾのキャッチコピーに、浪人らしき侍2人が斬り結ぶシルエット、そして豪快に墨で書かれた〈嵐運動・斬〉の文字……と、なんかもうワケ分からんけどインパクトはスゴい感じ。
ちなみに、その戦う浪人2人はそれぞれ、〈嵐丸〉と〈斬十郎〉という名前だとか。
【 学生割引:5割引以上 】
― 起き上がりこぼし ―
多くはダルマ型の人形の底に重りをつけ、倒してもすぐに起き上がるようにした伝統的なおもちゃのこと。『こぼし』は正確には『小法師』らしい。
また、漢字では『不倒翁』とも書く。
後転しようとしては勢いが足りずにもとに戻る――を繰り返すおキヌの様子は、まさにこんな感じであるようだ。
一説によれば、彼女の上半身に重心となるようなものが無いからだ、とも言われるが……真偽の程は不明である。
つーか、その辺はアンタッチャブルである。
【 おキヌ型:近日発売(大嘘) 】
― 巫女装束 ―
基本は『白衣』と呼ばれる白い小袖と、その名の通り赤い袴『緋袴』からなる、いわゆる巫女さん衣装のこと。
一般的には『巫女服』とか呼ばれることが多いが、それに相当する言葉は存在しないので、一括りに呼ぶには、そんな風にそれっぽく表現するしかないわけである。
ちなみに白衣と緋袴は基本スタイルであり、神楽を舞うなどの神事の際は、装飾が施された薄手の白い羽織り物『千早』に、『前天冠』という、ティアラのような冠を頭に付けたりする。
下着については、本来は着物と同じく着けないものだが、そこはそれ。その上から、本来の和装の肌着……『腰巻』と『肌襦袢』を着ける形になったようだ。
また、神に仕える巫女は、装束もまた神聖でなければならないため、『投げない』『置かない』『跨がない』という三原則もある。
『投げない』は、決して脱ぎ捨てないこと。
『置かない』は、脱いだら直ぐ丁寧に畳み、捨て置かないこと。
『跨がない』は、装束――延いてはその奉る神様に対して失礼になるから、跨いだりしてもいけない、ということ……だそうだ。
【 男子好感度修正:+100% 】
― アダムスキーボール ―
〈嵐運動・斬〉での〈勇者軍〉VS〈魔王軍〉の1戦目、ボーリング勝負時に凛太郎が繰り出したナゾの魔球。
スピードは無くてゆっくりなのに、スゴい回転がかかっているのか、当たったピンを弾き飛ばして倒すらしい。
その名前と特徴からして、一時期流行した〈UFOボール〉の亜種と思われるが、詳細は不明。
【 投げ方:未確認 】
― 〈別件〜BEKKEN〜〉 ―
宇宙から現れた邪神によって、地球は滅亡の危機に陥っている――にもかかわらず、それとはゼンゼン関係ナシで、世界最強を決める格闘大会が開かれているという、あまりにもアレ過ぎるストーリーの3D格ゲー。
〈嵐運動・斬〉での勝負2戦目に使用された。
登場キャラも、普通の格闘家以外に、ナゾの悪魔とか、異次元忍者とか、人型ロボットとか、改造人間とか、グリズリーやレッサーパンダまで出てくる、色んな意味でスゲえゲームである。
企画を出した人間も、それを通した人間も、みんなして徹夜明けテンションだったとしか思えないが、ゲームとしては完成度が高く面白かったため大人気を博し、シリーズは現在7作まで続いているらしい。
ちなみに、〈勇者軍〉VS〈魔王軍〉で使用されたのは〈別件3.5〉で、3作目のシステムとキャラをブラッシュアップした上で、2対2のタッグ仕様になった、一種のアッパーバージョンである。
傑作と称された3作目をさらに磨き上げた上、シリーズ中唯一のタッグシステムによる独特の面白さもあって、この3.5こそ至高とする同作ファンも少なくないとか。
【 地球の危機:シリーズごとに悪化しているが、所詮は別件 】
― 〈祓いの儀〉 ―
ハイリアが調べた古書に書かれていた、〈聖鈴の一族〉が、〈世壊呪〉を祓うために行うという儀式。
その所作などは、ドクトルの考案した神楽にも流用されていたようだ。
魔法への造詣が深いハイリアは、これが一種の魔術式であるなら、そこに込められた意味を読み解くことで、亜里奈と〈世壊呪〉を分離するような術式のヒントが得られないかとも考えたが……。
残念ながら古書は一部が焼けて失われており、〈祓いの儀〉についても、全容が判明したわけではなかった。
【 解読率:30%程度 】
― 焼き肉 ―
神楽舞いの打ち上げと称して、女子のみならず見物の男子も含めて全員に、ドクトルが豪快に振る舞った。
ちなみに一定料金で食べ放題のお店――ではないにもかかわらず、である。
総勢14人の育ち盛り食べ盛りの子供たち相手に、「好きなだけ食え」は、とんでもないことになりそうで想像するだに恐ろしい。
ちなみに裕真にとっては、『焼き肉と言えばアルタメアでキャンプ中、狩りで仕留めたエモノを焼いて食った以来』らしく……。
自分で血抜きやらの前処理をしなくていいラクさと、和牛のウマさに感動していた。
しかしその分、育てていた肉を、ちょっと目を離したスキにアガシーに根こそぎかっさらわれたときは、思わずお箸をへし折りそうになるほどだったようである。
実はその店のメニューに、イノシシ肉があったとかなかったとか……。
【 最終的なお会計:ヤボは言いっこなしさ(ドクトル談) 】
【お得じゃない4勇コラム】
・最高難易度〈追い詰められてからが勇者!〉
をクリアしたデータがあるか、周回数が8周
目以降になると、神楽舞いを『女装した男子
に任せる』という選択肢が追加されるぞ!
これを選ぶと、シナリオがそれ専用に変化す
る上に、男子キャラの『巫女さん女装』コス
チュームが追加されるんだ!
……誰得、とか言っちゃダメだぞ!