13章までの『キーワード事典』
※ ネタバレを含みます。
本編13章をお読みいただいてからご覧下さい。
※ ★と「UPDATE!」表記があるのは、
すでに登場した事柄の情報更新案内です。
― 天保山の頂点 ―
カゼで休んだ裕真たちを見舞う件について、良い案を出したイタダキを褒めた際のおキヌの言葉。
ちなみに天保山とは、大阪市港区、淀川の下流にあたる安治川河口にあった、天保2年(1831)に河の土砂をさらって盛り上げ目印とした、かつての築山である。
目印山・目標山とも呼ばれたことがあり、幕末には砲台も築かれたらしい。
今は地盤沈下により平地となり、一帯は『天保山公園』とされていて、山頂を示す石碑もそこにある。
また、1990年には、周囲に総合レジャーエリアとしての『天保山ハーバービレッジ』が整備された。
それなりには有名なんじゃないかと思われる水族館〈海遊館〉はここにある。
それと、安治川を挟んで対岸には、かのユニバーサルなスタジオもある。
『山の頂点』と聞いて、イタダキも一度は喜んだものの……関西人たる千紗の反射的なツッコミによりその標高を知り、「山界のおキヌじゃねーか!」とキレた。
【 天保山標高:4.5メートル 】
― カボチャとカボチャの種 ―
インコ(っぽいの)に擬態しているガルティエンに、武尊の母から与えられたおやつ。
最初こそ、「儂は鳥系乙女じゃが、単なる鳥ではないのだぞ……」とエラそうなグチを言っていたものの、たちまちその魅力の虜となった。
特に、カボチャの種を、殻を剥き剥きして食べるのが無性に楽しい&おいしいらしい。
……そして、インコとはまさにそうした『種の殻を剥く行為』が好きで、それがストレスの発散にもなるそうである。
ちなみに、タネ類は栄養豊富で身体に良いが、総じて脂質が多くカロリーが高めなので、食べ過ぎはダメである。
インコの場合、せいぜいおやつとして、カボチャの種は1日に1粒もあげれば充分過ぎるほどらしい。
つまるところ、鳥系乙女は完全に食べ過ぎなので、マネしてはいけない。
【 ヒマワリの種:悪くは無いが、カボチャには及ばぬのう……(ポリポリ) 】
★ 聖剣ガヴァナード ★ UPDATE!
言わずと知れた、異世界アルタメアの聖剣。裕真の武器。
しかし彼だけでなく、武尊のことも使用者として『認めて』いる。
アガシーが生まれる以前を生きていたテンテンの言葉に拠ると……本来は『世界創世に関わった』とのことで、〈創世の剣〉と呼ばれていたガヴァナードには、そのチカラを司る聖霊はいなかったらしい。
ゆえに、実際にはアガシーのサポートが無くとも、〈創世の剣〉としての本来のチカラを引き出すことも(難しくはなるが、使い手次第で)可能なようだ。
また、ガヴァナードとしての本体は、茎(柄の中に収まっている部分)まで含めた刀身だけであり、柄や装飾は後付けで、しかも一度全面リニューアルしたことがあるらしい。
その点から、見てすぐにガヴァナードに気付かなかったエクサリオは、そのリニューアル以前の勇者だと判明した。
【 真の攻撃力:??? 】
― ベルモントカレー ―
リンゴとハチミツを使っているのが特徴の、有名な市販のカレールー。
〈吸血鬼も退散!〉というナゾのキャッチフレーズが付いているが、ニンニクは使われていない。しかもそもそも、そっちはそっちで『ベルモンド』ではないか……と、何のことか分からない人にはホントに分からない話で申し訳ない限りである。
ちなみに、元ネタとなった某カレーが何であんな名前なのかと言うと、アメリカでは長寿で知られるバーモント州に伝わっていた、リンゴとハチミツによる健康法にあやかったため。
【 辛さレベル:甘口寄り 】
― 京阪大学 ―
東日本の、通称『帝大』(帝国大学)に並ぶ、西日本の最高学府たる難関国立大学。
もともとは『西京帝国大学』という名称だったのが、現帝大と区別するべく、この名となった。
どうやら千紗の父親は、そんな有名大学で先生をしているらしい。
ちなみに京阪とは京都と大阪のことで、京阪神となると、京都・大阪・神戸を指す。
【 受験難度:当然難しい 】
― インスタントコーヒー ―
赤宮家で、カレーに入れる隠し味の一つ。
そのほんのりとした香りと苦みが味を引き締める。
【 注意:ダマにならないようしっかり溶かす 】
― 〈閃剣・竜熄〉 ―
武尊との模擬戦の際、武尊が放った翼の光弾を掻き消すために裕真が繰り出したアルタメアの剣技。
闘気による遠隔攻撃系〈閃剣〉の一つ。
竜の息のごとく、振り抜いた剣から闘気を放つ、基本的な飛び道具技。
しかし基本だけに、使用者の力量やその狙いによって、飛距離や効果範囲、威力やスピードと、何を重視するかで特性を変化出来る汎用性があるため、決して疎かには出来ないのだ。
【 剣技レベル:通常必殺技級 】
― おしるこ缶 ―
言わずと知れた、缶飲料になったおしるこ。
堅隅高校の自販機には、なぜかこれが季節問わず(ホットで)常駐しているらしい。
冬の寒い時期ならまだしも、真夏にこれを飲むなど罰ゲーム以外の何ものでもなさそうだが……ハイリアは汗一つかかず、魔王らしく優雅にあんこの甘みを楽しんでいた。
【 何となく親戚っぽいの:コンポタ缶 】
― 『どどちん』 ―
アルタメアの冒険中、自分なんかに好意を向ける女性なんていなかった――などと、あっけらかんと明言しやがった裕真を評した、ハイリアの一言。
ただのニブチンを超えた、『ドがつくほどのドニブチン』の略で、魔王語録の一つ。
もっとも裕真は、「仮にいたところで、俺が鈴守以外に誰を選ぶってんだ」だそうだが。
【 類義語:どどんかん 】
★ クローリヒト変身セット ★ UPDATE!
もとは、アルタメアで何度も裕真の前に立ち塞がった、ナゾの魔剣士の装備品だったもの。
高い防御力を誇るが、〈呪い〉により装備中は常に体力を奪われ、なおかつ魔法などの回復手段を受け付けなくなるという、厄介な性質をもつ。
また、その属性上、装備中は〈聖〉のチカラに極端に弱くもなる。
ついでに言えば、見た目は厳つく、完全に悪役風。
今回、もとは魔王だったハイリアによって、そもそも彼の部下たる魔族に、件の『ナゾの魔剣士』にあたる者は存在しないこと――。
そして、〈変身セット〉の宿す呪気が、グライファンのような『純粋な悪意』とは一線を画す……悲哀、絶望、後悔、羨望といった、『希望の裏返し』のような想いが呪詛として凝り固まったものであること――が、明らかとなった。
だからこそ、持ち主の裕真に再び『希望』を見たならば、そうした呪気が祓われる――こともあるかも知れない、らしい。
【 呪いレベル:通常解呪不可 】
― ビート板カブト割り ―
プールの時間、「可憐な乙女の水着姿はいくらでも見ていられる」と不埒な発言をしたアガシーに、亜里奈が食らわせた技。ビート板を縦にして脳天に叩き付ける。
危険なので、良い子はマネをしてはいけない。
ちなみに、同系統に『ビート板地獄突き』が存在する……らしい。
【 ビート板:盾と思いきや、武器だったとは……!(アガシー談) 】
― 塩豆腐 ―
豆腐に塩を振り、キッチンペーパーで包んで冷蔵庫で1日寝かせ、水抜きをしたもの。
モッツァレラチーズのような食感と、濃縮された深い味わいになる。
しかももとが豆腐なので、チーズよりもずっとヘルシーである。
おキヌがしたように、トマトとオリーブオイルと組み合わせてカプレーゼにすると相性抜群のようだ。
【 豆腐:潜在能力をナメちゃいかんぜ……アタシのようにな!(おキヌ談) 】
― 〈力ある棘マギアスタ〉 ―
魔法王女ハルモニアが使う武器の一つ。無属性。
司るのは使い魔の三毛猫、キャリコ。
いかにもシンプルな細身の槍で、特徴らしい特徴は無いが、その分扱いやすい。
【 攻撃力:低い。ただ、魔力消費もほぼ無いため、利便性は高い 】
― 〈燃ゆる飛槌ウォラレ・フェラレ〉 ―
魔法王女ハルモニアが使う武器の一つ。炎属性。
司るのは炎のオオカミの姿をした獣神、〈炎狼フラマルプス〉。
直系30センチを超える頭を持つ巨大なハンマーで、後部には炎のチカラによるジェット噴射機構が備わっており、それによる加速でさらにインパクト時の威力を高めることが可能という、チカラisパワーな脳筋武器。
その上、フラマルプスに騎乗するとその突進力すら上乗せされるため、直撃は即ち、リアルにお星さまになるか異世界に転生するかの二択となりかねない。
【 攻撃力:凄まじく高い。が、取り回しも燃費も非常に悪い 】
― 〈百騎為す氷槍〉 ―
クローナハトとの戦いで、サカン将軍が繰り出したメガリエントの魔法。
その名の通り、100の兵士が居並び同時に槍を突き出すかのように、無数の氷の槍を、槍衾のごとく生み出す。
マーシア定式による高度なものではなく、将軍ほどの実力者なら、さしたる手間も無く繰り出せるレベルの魔法である――が、当然、威力は普通の魔術師の比ではない。
正式名称は〈F5型I−A−09『百騎為す氷槍』〉。
略すと〈IA09〉となる……ようだ。
【 魔法レベル:中堅クラス 】
★ 〈雪崩式マッドフランケン・エクスキューション〉 ★ UPDATE!
シルキーベルがハルモニア相手に繰り出した投げ技。
実際にはプロレスにおいて『雪崩式』と言えば、自分だけでなく技をかける相手もコーナーポストに乗せ、そこからの落差を利用して威力を上げる技のこと(雪崩式ブレーンバスターとか)だが……。
ハルモニアが炎狼フラマルプスに騎乗していて地面との距離があったため、この名が使われたと思われる。
技としては、ハルモニアに肩車されるような形で乗っかり、足で首をロック、その後バク転の要領でフラマルプスの上からハルモニアを引っこ抜き……そのまま宙で4回転、頭頂部から地面に叩き付けるという、一見即死級のもの。
……なのだが、そもそも聖剣やら魔剣やら魔法やらで戦う〈勇者〉にとっては、印象としてのインパクトはあれどそこまで実ダメージの大きいものではないらしく――ハルモニアも、目を回してフラフラになるぐらいで済んでいた。
【 技の性質:空中必殺投げ 】
― 要望書 ―
おキヌの下駄箱に大量に詰め込まれていたお手紙の正体。
ついにモテ期到来か……! と思いきや、マッタクそんなわけではなかった。
その中身は、鈴守千紗ファンクラブからの、『来る文化祭の出し物は、男装した千紗サマが主役の演劇にして下さい!』というものだった。(なお、一部には執事喫茶という要望もあったようだ――もちろん、女子が男装するカタチでの)
そしてそれを聞いて、当の千紗は一度石化するものの……要望書の中には、『なお赤宮裕真については、千紗サマの相手役として女装するのが望ましい』と付記されているものもあると聞くと、いつの間にか石化も解け、ドリンクを飲む速度が妙に速くなっていたらしい。
【 ファンクラブの期待値:65535 】
― 明治時代風ファミレス〈ガス灯〉 ―
店の外装内装から、店員の制服まで、明治時代のカフェーやミルクホールを意識してデザインされたファミレス。
さすがにメニュー内容は現代風だが、それでもなるべくコンセプトからは外れないようにと、色々と細部でこだわっていたりする。
おしゃれで落ち着いた雰囲気の良さ、それでいてのファミレスらしい手軽な値段設定もあって、老若男女問わずわりと人気が高い。
また、特に女性店員の、いかにも『昔の女給さん』といった趣の、いわゆるハイカラな……けれど現代的なセンスも取り入れた制服も、可愛いと評判である。
【 看板メニュー:ジャーマンステーキ(明治頃のハンバーグの呼称の1つ) 】
【お得じゃない4勇コラム】
・ゲームを一度クリアすると、おまけとして、
今章で赤宮4兄妹がプレイしているゲーム、
〈ダンジョン群とドラゴンたち〉
が、実際にミニゲームとして遊べるようにな
るぞ!
結構本格的なアクションRPGで、複数人で
同時プレイも出来るんだ!
……それより本編に力入れろよ、ってのは言
いっこナシだ!