10章までの『キーワード事典』
※ ネタバレを含みます。
本編10章をお読みいただいてからご覧下さい。
※ ★と「UPDATE!」表記があるのは、
すでに登場した事柄の情報更新案内です。
― 〈諸事対応課〉 ―
バケモノや霊、魔術妖術、果ては異世界から迷い込んだ存在まで……一般に流布している科学と常識では処理しきれない事態の対応にあたるのがお仕事な、国家機関。
そのルーツは古く、遡れば〈陰陽寮〉(古代日本において、天文・気象の観測や暦の作成、時刻の測定、さらには占いなども担当した、いわば『陰陽師』のお仕事場)にまで行き当たると言うが……真偽のほどは定かではない。
国家機関ではあるものの、基本的には秘密の部署であるため、『何らかのトラブル対策のために一時的に設けられた臨時部署』という体をなすべく、所属する省庁はころころと変わるようになっている。
何だかそれっぽく聞こえる部署名なのもそのため。
ただ、『超常現象への対処』のための機関ではあるものの、そもそも所属する人間はほとんどが『特殊な能力など無いただのお役人』なため、直接的に対応にあたるのはまれで……。
基本的には、霊能者など、そうした問題解決を生業としている専門家に『仕事』として割り振ること自体が仕事である。
【 職員数:実はそんなには多くない 】
― 〈聖鈴の一族〉 ―
代々、『広隅』という地を、歴史の裏――超常現象的な面から守護してきたという一族。
いつの世も、いかなる国家権力にもおもねることなく、独自性を貫いてきたこの一族の影響力が強いからこそ――そしてそんな一族と揉めることは避けたいからこそ、国家機関である〈諸事対応課〉も、広隅には出張所のようなものを持てないばかりか、おいそれと手を出せずにいるようだ。
その正式名称は不明、構成者も規模も不明、他の組織や国との接触も必要最低限……という、謎に包まれた一族でもある。
ただ、彼らはあくまで広隅の守護に注力するのみで、国に害を為すような真似は決してしなかったため、国としても昔から、半ば暗黙の了解として、広隅の守護を委任する――といった形になっているようだが……。
【 広隅を守護する理由:もちろん不明 】
― 広隅市地域振興課 ―
その名の通り、広隅市の地域振興を目的とした、広隅市役所の一部署。
裕真と亜里奈の父、赤宮裕秋と、出向してきた西浦が所属。
広隅の活性化のため、日々、色んな努力をしている。
その仕事の成果の一つが、裕秋が企画・デザインも手がけた市のゆるキャラ、〈隅っこヒーロー・スミノフ〉であった。
また他にも、地域のお祭りの運営などにも関わっているらしい。
【 特に求められるモノ:独創性と熱意 】
― 堅隅高校の購買部 ―
もちろん、学校生活に必要な雑貨を一手に取り扱っているわけだが、一角にはパンを売るコーナーもあり、こうした学校の購買部のお約束として、昼休みにはそれを求める生徒によって戦場と化す。
特に総菜パンの中でも、やきそばパンやカツサンドはやはりというか大人気で、その争奪戦は熾烈極まりなく……すぐに売り切れるため、ツチノコばりにその実在を疑う生徒もいるとかいないとか。
マヨコーン(マヨネーズとコーンのパン)やピザパンも、そこまでの人気ではないにしろ昼休みの終盤まで残っていることはまず無いため、そこにありつけた裕真は相当に幸運だったと言える。
【 ジャムパン:なぜか最後まで残る 】
― 一番の年長者、わたしなんですけど? ―
ハイリアに対し、『さん付け』で呼ぶことにこだわった亜里奈が、その理由として述べた「年長者はちゃんと敬いなさいっておばあちゃんに言われてますから」に、素早く反応したアガシーが、自らを指して宣った台詞。
事実、1000年を超えて生きてきた彼女はぶっちぎりのハズなのだが……。
他の3人は、その主張に揃いも揃ってそっと視線を逸らしていた。
……人間、歳を取るとむしろ子供に返るとか、そーゆーのの究極系ってことなのかも知れない……知らんけど。
【 年長者的対応:がっでむ!(ゴロゴロ) 】
― 名人 ―
持ち前の反射神経と学習能力により、ゲーム(特にレトロゲー)の腕前が急上昇、クラスの男子の羨望を集めるようになったアガシーが、いずれ軍曹からクラスチェンジするのではないか……とも目される称号。
そうなれば、いずれ(ゲームの)特訓と称してなぜか崖を登るようになったり、それによって鍛え上げられた(?)高速連射で、スイカを割ったりするのかも知れない。
【 16連射:修得済み 】
― うちのお兄に似てる ―
アガシーの兄のハイリアがどういう人物なのかを見晴に聞かれた亜里奈が、とっさに出した答え。
アガシーからは猛反発を受け、亜里奈自身も、よくよく考えれば見た目も性格もまるで違うのになんでだろう、と疑問を持ったが……。
どうやら、明確には語れないものの、『似てないんだけど似てる』らしい。
【 似てるところ:具体的には……うーん……?(亜里奈談) 】
― 英家 ―
裕真と亜里奈の母真里子の、いわば実家。
――と言っても、立地的には赤宮家のすぐ裏手、しかも両家は塀などで区切られておらず、間は(〈天の湯〉とも隣接している関係上)庭のような空き地が挟まっているぐらいなので、同じ敷地内の母屋と離れのような関係性。
造りとしては、中流家庭まっしぐらな洋風一戸建ての赤宮家に比べ、こちらは縁側なども備えた、味のある日本式家屋である。
現在の住人は裕真の祖父母だけであったが、アガシーに続く居候としてやって来たハイリアが、間借りするような形で住まうことになった。
銀髪碧眼の美丈夫には一見不似合いにも感じられそうだが……当人は、日本家屋の独特の雰囲気に惚れ込むとともに、自分を快く受け入れてくれた老夫婦の懐の広さにも触れ、ここでの生活がいたく気に入っているようである。
【 畳でお布団:うむ……良いものだ(ハイリア談) 】
― リャおー ―
おキヌによる、ハイリアの呼び名。
ハイリアのリアと、魔王の王を取って……しかしそのままだと『リア王』になってしまうため、絶妙に崩した末に生まれたものらしい。
呼ばれた本人は、「かつての腹心の〈魔将軍〉などが聞けば卒倒しそうだ」と評しつつも……同時に、自分をそんな風に呼んだ人間は初めてだと、不満を持つどころか却って堪能しているようである。
【 ご本人お気に入り度:85(愉快) 】
― 磯辺餅 ―
焼いたお餅を海苔で巻いたもの。磯辺巻きとも呼ばれる。
〈世夢庵〉のものは3つがセットになっていて、『スタンダードな醤油』『バター醤油』『チーズ』と、3種類の味がいっぺんに楽しめるスタイル。
また、1つ1つがちゃんとした大きさなので、満腹感もしっかり味わえる。
ちなみにだが、作者的には、たっぷりのバターを焼きたての餅の熱で溶かした上で、ちょっとだけ醤油をつける――そんなバター醤油こそが磯辺餅の至高である。
この食べ方だと素手では指がベタベタになるので、お箸を使おう。
【 お値段:600円 】
― バルーンでファイト ―
ハミコン黎明期に発売されたアクションゲームその1。
風船で空を飛ぶ主人公を操り、同じく風船で飛ぶ敵キャラを、その風船を割って落とし、やっつけていく。
全滅させればステージクリア。
敵味方ともに、風船を上から蹴りつけられると割れて落下、アウトになるので、基本的には頭上の取り合いになるが、上昇のためには結構なボタン連打が必要な上に、慣性のつく独特の挙動、それにお邪魔キャラの存在などもあって、シンプルながら一筋縄にはいかないのが面白いところ。
2人同時プレイも可能だが、お互いに「当たり判定」があるため、ちょっとした事故から仲間の風船を割ってしまい、そのままなし崩しに対戦プレイ化することもよくあった。
また、ステージ最下層は水面になっており、不用意に近付くと、風船が残っていても飛び出してきた大魚に丸呑みされてアウトになるので要注意。
そして、ハイリアがイタダキに食らわせたのは……風船を割るほどではない絶妙な高度で勢いを付けてぶつかり、その衝撃で相手を水面の方へ弾き飛ばし、件の大魚に丸呑みにさせる高等テクニックである。
ちなみに、1人プレイ専用で、たくさん配置されたカミナリを避けながら、ひたすら先へ先へと進んでいくモードもクセになる面白さである。
【 対戦化したときの熱中度:90 】
― 氷壁をクライマー ―
ハミコン黎明期に発売されたアクションゲームその2。
何層にも分かれたステージを、ハンマーを使って上層の床を割り、通るための穴を空けたりしながら、ジャンプでひたすら頂上を目指して登っていく。
頂上付近のボーナスステージまで登れればステージクリア。
2人同時プレイ可……だが、敵をやっつけるのが目的で無い以上、2人いた方が有利という場面はほぼなく、「一方がどんどん登っていくと、置いていかれて画面外に出たプレイヤーはアウトになる」というルールもあるため、なし崩し的に競走というか、対戦プレイ化しやすい。
ハイリアがやったように、超速で登りまくられると、もう一方はどうしようもないぐらいに置いてきぼられまくるわけだが、そもそもその「登りまくる」が難しいゲームである。
ちなみにだが、頂上まで登っても、最後の「頭上で飛んでいる翼竜に掴まる」のがこれまた難しかったりする。(一応ダメでもクリアにはなるが)
【 対戦化したときの熱中度:80 】
― 配管工兄弟のゲーム ―
ハミコン黎明期に発売されたアクションゲームその3。
その後あまりにも有名になりすぎる「スーパー」が付く方ではなく、付かない方のブラザーズ。
土管から出てくる敵キャラを、下から床を叩いて転ばせ、その後蹴り飛ばしてやっつけていき、全滅させればステージクリア。
2人同時プレイ可で、普通に協力プレイするのもアツく楽しめるが……。
一度転ばせた敵キャラは、もう一度床を叩くことで復活する……という仕様があるため、互いに邪魔をするうち、いつしかなし崩しに対戦プレイ化するのが常。
ときとして、リアル格ゲー化する可能性もある。
また対戦時には、ステージ中央下にあって、叩くと3回まで画面全体にショックを与える(転んでない敵は転び、転んでいた敵は起き上がる)パワーブロックを、ステージ開始と同時に速攻で使い切って消滅させるのが礼儀とされた。
【 対戦化したときの熱中度:85 】
― 幼児体型 ―
今さらムネにモチやら求肥やら詰めたところでどうにかなるか!……らしい。
【 おスズちゃん:同類(おキヌ談) 】
― 何とかと煙は高いところを好む ―
含む頂点。
【 最も高きモノ:ンなモン、頂点に決まってっだろ!(イタダキ談) 】
― 社会の非情なルール ―
たとえ小学生級の幼児体型であっても、高校生ともなれば大人料金を払わねばならぬのである。
「なんと不公平な社会だ……ッ! 弱者は搾取されるしかないのか……ッ!」(おキヌ談)
……ちなみにだが、作者が小柄なのを利用し、中学生になっても小学生料金で電車に乗っていたというのはヒミツである。
【 入浴料の差額:280円 】
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