第2話:どっかで見たことありそうな展開
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登場人物詳細
(前回の話までの内容しか書きません)
主人公
西条 勇介(16)
ニート。彼女居ない歴=年齢。
ゲームを買いに来た所をテロに遭い死亡。
(順次追加予定です。)
「おめでとうございまーす!あなたは人間転生キャンペーンの第一号に選ばれました!」
「……は?」
覚めるはずがない眠りから起きたと思ったら、いきなり頭のおかしい事を言う女が宙に浮いてこっちを見ていた。
大体言ってる事の意味が理解できない。転生?キャンペーン?
周囲を見渡すとなんか全体的に白いし神様の像みたいなのがたってるし奥の方にはきれいな川と花畑がある。
例えるなら、絵に描いたような天国みたいな場所だ。
そうするとこいつはなんだ?落ち着いてよくみると中々の美少女だ。
白いシスター服のような物を着ていて、顔は整っていてかわいい。髪色は透き通る様に白く、頭の上には、わっかのようなものが浮いている。
なんだか天使みたいな印象を受ける。まるでアニメのキャラみたいだ。
そして何より胸がデカい。
……おれこんな不敬な事考えていいのか?変なこと考えた瞬間、雷が降ってきて俺ドッカーン!とかないよね?あ、でもドッカーン!なら今さっき体験したな。もう二度と味わいたくないけどね!
俺は落ち着いて、状況整理に必要(一部不必要な事)を考えたが、全然理解できないので前の美少女に急ぎ気味に尋ねる。
「その説明じゃ何も理解できないんですけど。そもそも、ここどこですか!?」
美少女は『ハッ!』とした顔に一瞬なると、すぐに元の優しい笑顔に戻り、まるで用意されていたかのようにスラスラと説明をしてくれた。
「ここは死後の世界、我々天使が管理する場所。あなたは爆弾テロにより若くして死んでしまいました。そんな、なかなかにレアで不運な死に方をしたあなたに、もう一度人生を、それもあなたが好きだったゲームのような世界で!という事が決まったのです!」
……多分こいつ最初に言うセリフ忘れてたな。
天使は割とアホの子という新事実に若干目を細めると、それに気づいた天使が若干顔を赤らめる。
可愛い。こんな彼女が欲しい。
……おっと。忘れないうちに、とりあえず天使が言った事をまとめよう。
死後の世界という事はやはりここは天国てきな場所なんだよな。
しかも転生?転生と言うと、アニメとかでよくある一度死んだ人物が別の世界で生き返るアレだよね!?正直ゲームにも飽きてきたし、未練とかもないから、未知の世界に行けるなら願ったり叶ったりだな・・・
しかしゲームの世界とはどんな世界なんだ?まさかRPGの様な強大な敵がいる危険な世界に飛ばされるのか?それは勘弁だな。
だって俺ニートだし。体力も能力も何もないもん。もっと言えば普通の人より劣ってるし。
恐らく1日も持たずに死んで、この天使の顔を拝むことになる・・・可愛いからそれはそれでいいんだけどね?
「えーっと・・・そのゲームのような世界っていうのはどんな世界なんでしょう?例えばRPG系とかだと俺だと少し厳し…」
「よくぞ聞いてくれました!その世界では人間と魔族が長い間戦争をして…」
……この天使、俺の言葉を遮るように喋り出しやがった。しかも嫌な予感がする。
「…という理由で人間は少しずつ追いつめられてる・・・と言った感じです!――あっ!なんですかその絶望するような顔は!もちろんあなたの好きな魔法とかもありますよ!」
予感大的中だよ!魔法があるのは最初から予想ついてたよ!
問題はこの天使とやらは俺がニートで体力も、何の能力も無いのに、その世界でどうやって生きていくかを考えてない事だよ!
新しい世界に旅立って即死んで、ここに戻って『ただいま~』『おかえり~』とかやりたくないよ!
そんな世界に送るなら最強の武器とか能力とかくれよ!
「あっ大事な事を忘れてました!知識も力も無いニートのあなたが、異世界に行ったらすぐ死んじゃいますよね!そこであなたには我々天使から、知識は与えられない変わりに、特別な職業『魂纏者』を授けます!とても強い職業で条件次第で最初からいろんな能力や魔法を使えるようになるんですよ!」
どう考えても死ぬ未来しかない俺の表情を見て、懸念していた問題に対する答えを教えてくれた。
それは助かるんだけど、その『知識も力もないニート』って言うの必要かな!?俺の心にグサっと刺さったから!天然なのかな!?わざとじゃないのかな!?そうなんだよね!?
っていうかそれ忘れたままだったら、俺何も持たずに旅立ってたよね!忘れちゃだめだよね!
……しかし『魂纏者』か、とりあえずなんか名前はカッコイイけど、今の話を聞くだけだと強そうだが、条件次第で能力や魔法を使える・・・か
ん?条件ってなんだ?それによっては超使いにくい能力かもしれない。
例えば、能力を1回使う事に寿命が減るとか、1日に使える回数が決まってるとか、単純に使用者のステータスが高くないとダメとか。
最後のは絶対ダメ。俺のステータスだと静電気を起こすとかロウソクに火をつける位しかできなさそう。
考えるとキリがないな・・・とりあえず聞いてみるか。
「ちなみにその条件って何ですか?割と簡単な奴だと良いんですけど」
「……そうですねぇ・・・いろいろ長くなるので先に『魂纏者』について詳しく説明しますね!」
「まずこの職業の核となるのは死者の魂の存在です。『魂纏者』は死者の魂をその身に宿し、その死者が生前持っていた能力とか魔法が、そのまま『魂纏者』にも使える。という事です!つまり、めっちゃスゴイ魔法とか能力を持った死者を手に入れる事ができれば最初からほとんど無敵なんですよ!
「しかも今なら我々天使が保有する死者の魂からどれでも選び放題!こんなチャンスめったにないですよ!」
……なるほど、条件は割と簡単で、『魂纏者』の強さは死者の魂に依存するという事か。
しかも選び放題。これは絶対に強い死者を入手したいものだ。
そういえば、死者の魂を身に宿すとか言っていたが、体を乗っ取られたりする訳じゃないよな?
「でもこの職業には一つだけ欠点があって死者の魂を身に宿すというのは、その死者と意識を共有、会話できるのですが、死者の能力はどんな時でも問題なく使えるのですが、『魂纏者』が死者の魔法を使おうとしても、死者がその力を発揮しようとしないと本来の10分の1程度の威力、場合によっては発動しなかったりするんです。つまり死者と魂纏者が喧嘩したり不仲だったり元々協力的じゃなかったりすると強さが著しく低下するんですよね」
……わーここにきて一番の問題ー
まず俺は顔はそこそこイケメンだが、性格に難がある。圧倒的コミュ症なのだ!
そんな俺が?意識を共有?つまり24時間いつでもお互いすぐ近くというか同じ体内にいるわけだ?当然?揉めるに決まってる。これは本当にまずい・・・しかも死者ときた。絶対に向こうも難儀な性格をしているに違いない。
俺は震える声で尋ねる・・・
「あ、あのー。そ、その天使さんが用意してくださった死者の中には、もちろん優しい方とかコミュニケーションが取り易い人もいらっしゃるんですよね?」
いなかったらもう素直に消してもらおう。転生なんてなかった、いいな?
「もちろんいますよ!というかそういう人が多いので安心してください!よほどの事が無い限り、揉めることなんてないです!はい、こちらが死者の人々を纏めたファイルです!ちなみに挟まれてる紙は『用死』と言います!『死』者の『用』紙で『用死』ですよ!」
天使は人を安心させる笑顔でそう言うと、俺がさっき震えていた間に用意してくれたであろう、ファイルを手渡してくた。
っていうか『用死』って安直すぎやしませんかね?
えーっと何々・・・
そこには黄色の紙がたくさん挟んであって、それぞれに死者の顔写真と詳細なプロフィール、前世はどんな能力、魔法を使えたか。が書かれていた。
なるほど、まるで履歴書みたいだな。
「そちらのファイルはご要望にお応えして、優しくてコミュニケーションの取り易い方のみをピックアップしたので、安心してゆっくり考えていいですよ!決まったら用死を持って後ろの転送ゲートへお願いします!私は別の仕事が入ってしまったので一旦これで!旅の成功を祈ります!」
天使はそういうと、どこかへ消えてしまった。気の利く天使だ、コミュ症の俺からしたらとてもありがたい配慮である。
しかし天使も仕事が多そうで大変だな・・・
……まあ俺は働いたことは一度もないんだけど。
天使の言葉で安心して選べるようになったので、また用死ファイルに目を通していると、一枚だけ青い紙が挟まっていた。
「何か他の死者と違うのか?」
気になり、まず写真に目を通す・・・
「キタアアアア!絶対この人にする!めっちゃ可愛いもん!」
つい一人で叫んでしまった。それも仕方がない。
なぜなら写真には、めっちゃ俺のタイプの女性が写っていたのだ。
歳は俺より2、3個上だろうか?ミルクティーのような明るい茶色のロングの髪に、おっとりしていて温かみを感じる優しい顔。
こんな夢のような人を選ばせてくれるなんて天使バンザイ!
「……あれ?でも良く考えたら、もう死んでいて魂になってるんじゃ、顔。見れなくね?」
……前言撤回だ。
生きてる頃は当然彼女も一人もできなくて、爆弾テロとかいう不幸な死に方させた癖に、今度は死後の世界で、絶対に顔を見れない美女を目の前に吊り下げるような事しやがって!この悪魔!いや天使だけど!!
ひとまず落ち着いて、今度は能力、魔法の欄に目を通す。
「え、何これ『火炎龍の息吹』って!?なんか他にも『海淵の誘い』とか強そうな奴色々あるんだけど!しかも能力が『魂纏者』のステータスの向上ってまさに俺向きじゃん!」
つい、今までの人の欄には全然無かった魔法と能力に声をだして喜ぶ。
もしかしたらこの人は生前知らない人はいないレベルで強かった人なのかもしれない。
魔法の欄には規模の小さそうな魔法から、使ったら辺り一面が大変な事になりそうなレベルの魔法がたくさん書かれていた。
可愛くて強いとか最強じゃね?
他の人達と明らかに格が違う。だから青い紙で分けられているのだろうか?
何にせよ、この人に決めた!雰囲気からしてめっちゃ優しそうだし!
俺は用死をもって天使が言っていた転送ゲートへと向かう。
そこには、『用死はこちら!』と書かれた、なんかプリンターみたいな奴と、転送ゲートには『用死を入れてから押す→』という看板がスイッチのような物の横に立っていた。
えぇ・・・雰囲気ぶち壊しじゃね?有名メーカーのロゴ書いて有るし、やっぱりプリンターだよね・・・
プリンターに用死を挟み、転送ゲートの上に立つ。
「絶対あの人と仲良くなってやるぞ!……あれ?名前なんだっけ。確認するの忘れてた・・・まぁいっか!着いてから本人に教えてもらおう!夢の異世界ライフが俺を待っている!」
[誰もいない]部屋に向かってそう言い放ち、スイッチを押すとまた意識を失った・・・
ここまで読んでくれた方ありがとうございます。
粗い文章で読みづらかったり、誤字脱字あると思います。
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