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神話の花
春は美しい花達であふれる
菜の花 水仙などの幸せの黄色
気分も明るくなる
水仙は私の中のイメージでは
”ナルキッソス”(自己愛)
以前、美術館で観たカラヴァッジョの絵画
青年が水辺で自分の顔を映して
うっとりしていた
それは、自分に酔っているだけではなくて
自分自信を見つめていたのかもしれないが
青年と大人の間の微妙な、そして中間的な
妖しい美しさに私も見惚れた
菜の花のほんわかとした明るい印象とは違い
水仙は神話の中に登場するイメージがある
そしてカラヴァッジョの青年
鏡に映る私
化粧をして髪を綺麗にして覗き込む
真正面からも横からも
近づくとキスをするようで慌てて離れた
キスは自分でなくて好きな相手と
目を閉じたら
優しいキスと愛撫を受けたことを
思い出した
水仙の精が昔のことを思い出させた
目を開けないと
神話の中に連れていかれてしまいそう
水辺で自分を見たいとも思うけれど