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おばけは怖いよーぅ

…調子に乗っちゃったかもしれまい

ヨークシャー師、ミミムちゃんログくんを乗せて、メルカリウスの街をヨークシャー邸へ…街中を見ながらお散歩気分でゆっくり前進。


キュラキュラガタガタ


到着するまでに今回の討伐の報告…ゴブさん達を見逃した事も含めて。なんとなく正直に言った方が良いと思ってね


「…そうでしたか」

「マズいですかね?」

「まあ大丈夫でしょう、また何かトラブル起きたらギルドに依頼が来るでしょう…それよりゴブリンと交渉したとかレッドベアーが出たとか」


ヒゲを触りながら話しかけるダンディ・ヨーキーさん


「ええ、丁寧に話したらわかってもらえましたよ、そんな凶暴って事もなく。それはそうとレッドベアーってそんな珍しいモノなんですか?」

「普通、森のあんな浅い所に出る魔物じゃないな、しかも通常よりデカい」

「そうなんですか、そのレッドベアーにゴブリン達は追われてオラジャ村のあたりまで逃げて来たそうです。ベアーが退治されたから帰るって言ってました」

「なるほど、筋は通ってるな。詳しい事は…後で聞かせてくれ」


到着、裏から入って馬車小屋へ…ふう、一休み。ケモミミキッズは夕飯をゴチになりに厨房へ…俺は、さっき借りた基礎魔法の本と執事さんが持って来てくれた錬金術の本を読むか。


◇◆◇◆◇


ふむふむ、やっぱりそうか…土の分子を振動させて動かし…【穴掘り】小石飛ばして【ストーンバレット】よしよし成功。空気中の水分の粒を凍らせて、激しく擦り合わせて…【ライトニング】惜しい、ビリって来ただけかぁ。


「何してるんですかっ!」

「ああ『初級・攻撃魔法』読んでたんです」

「こんな魔法防御も無いところで試さないで下さい!それにライトニングって…確かに初級の魔法ですけど駆け出しで成功した魔術師なんて今までほとんどいなかったのに…」

「そうなんですか?まあ、私も成功しなかったけど…ところで、報告の続きですよね?」

「ああ、まあそんなに聞く事はもう無いのだが…」


執事さんに椅子とテーブルと筆記用具を準備させ、椅子に腰掛けメモしながら聞いて来るヨーキーさん。真面目だねぇ。


「その主砲?の魔法でレッドベアーを倒したのか?それも1発で」

「ええまあ…本当に倒せたかわからなかったのでトドメにもう1発撃ち込みましたが」

「相当な威力だな、あのレッドベアーは駆け出しの冒険者じゃ歯が立たない。中級以上のパーティでやっと討伐するもんだがそれを一人で…」

「まぐれですよー熊がゴブリンさん達に気を取られてる隙に撃ち込めましたから」

「そうか…グレイウルフもあんな大量に」

「魔力感知レーダーで茂みに隠れててもバレバレですから。主砲で爆弾を隠れてるところに撃ち込んで、混乱させて機銃で狩れば楽ですよ」

「そうなのか、うーん、話を聞いただけじゃやはり…今度は絶対ついて行くからね!」

「はいはい、お願いします。あ、そうだ!ところで錬金術なんですけど、やって見せていただけませんか?」

「なんか教えるの怖いけど、いいだろう」


そう言いながらもなんか嬉しそう、錬金術師だからかね?杖と…なんか金属片を取り出しブツブツ何か唱え始めた。あ、金属片に何かエネルギーが溜まっていくのがわかる。あ、形が変わって…ナイフ?の形に。


「とまあこんな感じ、基本は魔法で素材の小さな粒に働きかけて形を変えたり材質を変えたり…だから何も無いところから金属の弾を作り出すのはスゴイ事なのだが」


ふーむ、まさかこの時代で分子や原子の概念を理解してるとは。さすが錬金術師というところか?…差し出されたナイフを【念動】で受け取ってまじまじと見る、優秀だよねこの【念動】って能力、手で触ってるみたいに感触が…ナイフの材質はそんなに良く無いみたいだし刃も付いてない。んじゃ


「そもそも魔法ってのは空気中のマナを体に取り込んで魔素にして。その魔素を魔石に通し頭に浮かんだイメージを魔石に映して現象として具現化する技術なんだが…何してるんですか?」

「ええ、ちょっと」


ちょっと得意げに講釈するヨークシャー師をよそに。魔力を集中して【念動】で浮かせてるナイフに通し、分子を動かして…切れる刃を付けて熱処理もし、ナイフとして使える物に…出来たかな?ナイフを返してっと。


「な…そんな、見せただけで初級錬金術をマスターなんて、やる気無くすなぁ」


あっはっは♪ まあこの体の能力が優秀なんだよね。


「くっ、魔法も錬金術も使いこなす自律型ゴーレム、ますます興味が湧きましたよ」

「まあゆっくり調べましょうよ。私もどうしてこの世界に呼ばれたのか知りたいですし…あ、そうだ!忘れてた。あの袋の薬草も、売れば高いのかな?珍しい物だと聞いたけど」

「どれですか?」


ゴブさんに貰った袋を【念動】で持ってきてヨーキー師に見せるとまたまた目をひん剥いて。


「これどこで?!マーコン草なんてなかなか手に入りませんよ」

「じゃあ売るよりなんか薬を作った方が良いかも?」

「そうですね、これで中級以上の治療薬が簡単に作れますよ」

「採れる場所はゴブリンさん達に聞かないとだけど…他の人間にバレたら乱獲が起こりますよね?」

「確かに、この情報の扱いは注意しないと…」


たぶんゴブさん達がレッドベアーに追い出される前の住処あたりなんだろうな。でも秘密秘密♪


夕飯を食べ終えて、もう眠そうなケモミミ姉弟が厨房から帰ってきたので報告会はお開き。明日ギルドに集合して買い取りして貰った素材の代金の受け取りと、冒険者ギルド登録をなんとかお願いするのと、それから今度こそヨーキー師も連れて狩りに行くのを決めて今夜は解散する事に。


◇◆◇◆◇


夜は…ヒマを使って魔法と錬金術の復習。本をパラパラ読みながら…よーし、後は…地面の土からガラスの材料のシリカを【抽出】、【高熱】で焼いてガラス瓶を【製作】…フタもガラス…こうゆうのイメージが大事なんだね、正確に…っと、出来た。いろいろ使うから多めに作って置こう。調合用に乳鉢と乳棒も。本のレシピを見ながら…丁寧に魔力を流しながら貰った薬草を【精製水】を加えながらすり潰し…ゴリゴリ…あ、光った。【鑑定】すると、中級治療薬《高品質》よしよし出来たな。これを売ったらいくらなんだろ?値段によっては採取優先にしても良いかも。


乳鉢等の調合セットを馬車小屋の隅にしまって。本をめくって次は…あったあった空間魔法。ふむふむ、あー刻む魔法陣自体はそんな難しくないみたい。ペンは…ああ、さっき執事さんが本と一緒に持って来てくれたね。これに魔力を通して…うーん、砲塔後部収納ハッチに書き書きっと…理屈はそんな難しくないな、時間と空間に働きかけて小さな亜空間を開いて保持、あとは好きな物がすぐ取り出せるように検索、並び替え機能つけて、よし出来たな。さっきしまった乳鉢セットを収納。出来た!取り出しも問題なし、と…やっぱ転生といえば鑑定と収納は必須ですね♪


…カタ…カタカタ…

なんか聞こえる、もう深夜だから誰か起きてるとは考えにくいかな?…どこからかな?なんかシクシクと泣いてるみたいな


こっちか?庭の隅の古い井戸の辺りから?…履帯に【風魔法】で静音化して、抜き足差し足忍び足…あ!見ちゃった。井戸端でなんか板状のモノを持って「一枚〜二枚〜〜」っておイワさんかい!まさか異世界で幽霊に…ってファンタジーなら幽霊なんて当たり前か。さてどーしよう?とりあえず出来る事試してみるか。


「かんじーざいぼーさーぎょーじんはんにゃーはーらーみっだーじーしょーけんごーうんかいくーどー」

「き、きゃああー!な、な、なによぉ!お化けぇー」


何を失礼な!由緒正しき3号戦車がありがたーいお経を魔力を込めて唱えて上げてるのに…よく見たら古そうなメイド服を着た若いお姉さんが青白い顔して井戸端に立ってました。つかお化けは貴女では?


「外道照身◯波光線!正体見たり前世魔人」

「ち、違うわよ!私はこのお屋敷のメイドで…」

「冥土さん?なら冥土に帰っていただくしか」

「や、やめなさいよ!もう!何も悪い事してないでしょ?」

「そうなのか…うーん、じゃあ何でこの世に残ってるの?お亡くなりになられたのはわかってるでしょ?」

「それが…ご主人様の大事な護符の3枚のうちの1枚を無くしてしまって…探してるうちにここに落ちてしまって」


なんと、おイワさんじゃなくて三枚のお札でしたか。心残りがあるのならお手伝いして安心して成仏して頂きましょう。うん、そうしよう。


「じゃあ探すのお手伝いしますから…護符ってどうゆうものなんですか?」

「四角くて…複雑な模様が描かれてて…こうゆうもので」


うんうん、まあそうゆうものだよね…それから?どこで無くしたとかは?


「あとは…わからないです」


うん、何となくそうだろうなと思いましたよ。亡くなられてから随分たった様子、コリャ困った。幽霊さんも指を突き合わせてモジモジ、ちょっと可愛い♪


「まあ、じっくり探しましょう。手掛かりなど思い出したら教えて下さい。あ、お名前は」

「サリーと申します。あ、あの変な呪文で浄化しようとかしないで下さいね!あれ変な気分になっちゃって」


女性が変な気分なんて言うとちょっとドキッとしちゃいますね、それはさておきヨーキー師にも相談して探しましょう。


「わかりました、そろそろ夜が明けますね。ひとまず戻ります、また夜にここへ来ますので一緒に探しましょう」

「お願いしますね、おやすみなさい」

「おやすみなさーい」


また忍び履帯で馬車小屋まで戻って…振り返ると幽霊冥土サリーさんは消えてた。それにしてもお経でも幽霊に効くのは何故だろう?ステータス見てみよう。


[現在のステータス]

Name:トリー

種族:戦車

性別:♂

レベル:9

Type: 【III号L型】、95式チハ

HP:270/270

MP:244/270

STR:200

INT:170

DEF:210

SPD:140

LUK:19

FUEL:150/390

兵装 主砲:84/84 機関銃A:3500/3500 機関銃B:3500/3500 スモークディスチャージャー:3/3

装備 ゴム貼り履帯


魔法:修理・補給、念動、補助魔法《初級》、攻撃魔法《初級:火・水・氷・風・土・雷・聖》、錬金術《初級》、空間魔法《初級:収納》

技能:簡易鑑定、周囲索敵、改造・パーツ召喚、魔力感知、障壁

耐性:耐火、耐熱、耐冷、耐衝撃、毒無効、麻痺無効

称号:渡来人、交渉人


進化ポイント:110


レベル上がってるからパラメータも上昇してるね、魔法も一通り…《聖》ってなに?!一か八かだったけど仏様パワーは異世界でも通用するの?…ああ、そうか、仏教界では『三千世界』言うもんね、ここも三千のうちの一つなのか。パネぇわ、お釈迦様。

あとは錬金術も空間魔法も取れたし…称号:交渉人?【鑑定】してみよう


【交渉人:種族を問わず交渉にて問題を解決した者に与えられます。効果:相手に腰の低い印象を与え、交渉事が上手く行くようになります】


ゴブさんや幽霊さんの事か、まあ上手く使えれば有難い。しっかし地球ではコミュ障だったのに…



※特定の宗教に思い入れがあるわけではございません。

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