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旅は道づれ世はナサケ

あ、エルフは脱がーさなきゃいけないのかな?


はー…異世界ファンタジー民とのファーストコンタクトはあっさり失敗、どうしよう?…ったく、化け物はヒドイよねーもー


ガラガラガラガラ


さっきの盗賊を追い払った街道を南へ…こんなんなら盗賊に味方した方が良かったかな?…いや、おんなじ目に合うよね、あの様子じゃぁ…はーせっかく生まれ変わったのにボッチ、しかも一生ボッチかも…イヤだーもう泣きそ


「あ、あのー」


なんかギャグの一発でも喰らわせた方が良かったかなぁ?ちょっと練習しとこうか…ガチョーン…あ、手が無い。はあー色々不便だもう


「ちょっとーもしもしー」


もーなに?うるさいなぁ、ちょっと考え事…って、話しかけられてる?誰だれ?

横を向くと馬に乗った痩せた…人?ローブ?ってのを着てるけどあれでよく馬に乗れるね、とりあえずセカンドインパクト…もといセカンドコンタクトだね!怖がらせないようにーっと。


「ああはいはい?なんでしょ?」

「わ!やっぱり…話が通じるな、さっきの騒ぎ、遠くで見てましたが…すごいなぁ、魔法なのですか?すっごい音がして爆発して…そっちの細い方の杖もサンダーボルト?あんな広範囲に!」


な、なんか急に目を輝かせて寄って来た!もしかして魔法使いさん?しかし自分で言うのもなんだけど怖くないのかな?こっちの人、戦車なんて見た事ないだろうに、あ、喋る戦車なんて地球にもないか。


「え?ええ、魔法っていうかなんと言うか…実は私もよく分からなくて…すんません。この向こうの洞窟で、気がついたらこの姿だったんです。」


わからない事だらけでヘコむー主砲をへにょんと振り下げて答える、ホント、誰か事情わかる人いたら教えて欲しい。


「そうなのか…良かったら私が調べてみよう?こう見えて私、錬金術師でして」


おお!やっぱり、もしかしてもしかしなくても魔法使い?錬金術師?そうだったんだ!詳しい人なら安心かな?とりあえず止まって、と


「ええ、ぜひぜひ♪ 私も何がなんだかよく分からなくって…お願いします」


パカン!とハッチも開けて…同じく止まってくれた錬金術師さんが近づいてくれるのを待つ…やっぱローブでよく分からなかったけど中年ぐらいの男性だ。萌えーな要素は今の所無し。トホホ


「では、失礼…ふむ…」


ブツブツ言いながら…おっさん錬金術師さんは鋼のボディを恐る恐るペタペタ触る…ちょっとくすぐったい。


「…どうでしょう」

「うーん、あ、中にも入れるのか、見ても?」

「ええ、どうぞどうぞ」


ハッチに気づいた錬金術師さんを車内に招き入れて…大丈夫かな?ローブ引っかからな…あ、くふふふくすぐったいよー


「ふーむ…うんうん…」


うんうん言いながらペタペタ車内を触るもんだからなんかこしょばゆいー


「ど、どうですかー?」

「うん、申し訳ないけどよく分からん、ありがとう、ちょっと出るよ」


わかんないのかい!まったくもー。あ、出て来てくれた…引っかかった、もー、【念動】で引っかかったローブを外してと。


「うんうん、こんなの今まで全く見た事ない…けどチラッと内部に術式と魔法陣の一部が見えてね、多分ゴーレムに似た感じだと…」


頭をちょっとぶつけたみたいで頭を抱えながらブツブツそう言う錬金術師さん、おーなんかスゴイ!ゴーレムかぁ…じゃあなんで俺は人間としての意識がある?あれ?


「ゴーレムって…魔物ですよね?じゃあなんで私、喋れるの?」

「ああ、ゴーレムは錬金術師が術式を使って作り上げて使役する物なんだよ…でも喋れるゴーレムなんて聞いた事無いな、古代のアーティファクトかも?描いてあった魔法陣は全く今のものとは違うものだし…うーん…」


そう言うと考え込んじゃった。古代のアーティファクトかぁ、ちょっとカッコいいかも♪巨◯ゴーグかガ◯アンか、オラわっくわくすっぞ!


「よし、もう少し調べたいからウチに来なさい!なに、悪いようにはしないから、さあ行こう!」


へ?なんか一人で納得して連れて行こうとしてるけど…うーん、このまま俺一人でウロウロしてたら確実に魔獣って認定されて討伐依頼が出てすっごい冒険者やら氣◯團もとい騎士団が出て来てやられちゃうかもー。

剣やら弓矢なら屁のツッパリだけど魔法が飛んで来るとこの装甲でもどうなるかわかんないし


「ん?どうかしたのか?このままうろついてても行くとこあるの?」


うー、言い方ちょっとイヤだけど仕方ない!変なやつだったらパワーに任せて逃げ出しゃ良いか!


「…お世話になります」


再び馬にヨッコラセっと乗り込んだ錬金術師さんについて行こうと…


「あ、錬金術師さん?お名前はなんと…」


「ヨークシャーといいます、以後お見知り置きを…ゴーレムさんは?」


あ!人の名前を聞くのに…って、なんだったっけ?………え?もう地球の記憶薄れてるー自分の名前ー!


「すみません、実は記憶が…覚えてないんですぅ」

「そうなのか?まあ古代のものですから不具合も少々あるのか、思い出せると良いですな。あ、でも名前無いと困るなぁ」

「じゃあ、とりあえずトリーとでも呼んでください」

「え?ま、まあそれでよろしいなら…トリーさんよろしく」


ロシア語で「3」だけどね、まあ良いか!トボトボ痩せ馬さんに乗って行くヨークシャーさんの後についてキュラキュラ履帯を響かせながら街道を進んで…こっそり心の中で「ヨーキー」さんって呼んでやろう。


◆◇◆◇◆


「そういえばヨークシャーさんて、なんであそこを通りかかったんですか?」


パカパカ歩く馬について街道を進むけど今の所、誰もすれ違わない。さっき追い散らした盗賊どうなったんだろ?暇になったからヨーキーさんに話しかけてみる。ボッチ脱出するためには積極的に話しかけないとね。


「ああ、この反対のドラガンって街で鉱石仕入れに…帰る途中でスゴイ音が聞こえたのでドラゴンでも出たかと様子を見に来たらそれ以上の珍しい魔獣に出逢いまして…」


そう言って笑うヨーキーさん、鼻の下お髭が似合うぜー…魔獣って、まあその評価は仕方ないのか。


「じゃあ今向かってるのは?」

「私の住んでるメルカリウスです、ああ、トリーさんもちゃんと街に入れるように手続きするから安心して下さい」

「なるほどなるほど北がドラガンで南がメリカリウス…ドラガンは鉱山なのかな?」

「ええ、錬金術に使う材料にいくつか必要でね、手続きだけして後で商人さんに運んで貰うんだけど…トリーさんがいたら運ぶお仕事も楽かもしれんな」

「ああ、そうゆう仕事あるんだ。ふーん…良いかもね」


今の所おなかもすかないし睡眠も必要ないみたい。でもこの世界に受け入れて貰えるように仕事はした方がいいのかな?…やっと時々人とすれ違うようになって来た。もちろんスゴイ驚いた顔して見送られるけど…石投げられないだけ良いよね、シクシク…あ、遠くに街みたいなの見えて来た、おー!やっぱり…周囲を城壁で囲まれたファンタジーな城塞都市みたいだ。


あ、チラッと遠くの道の脇に見えたけど汚れた皮鎧とマントの男…さっきの盗賊?まあ見間違えかもしれないし、ほっとくか。機銃で…じーっと狙ったままね。


ゴガガガゴガガガ


地響き立てて城塞都市メリカリウスに近づいて行くにつれ、すれ違う商人さんや傭兵さんらしきオッチャン達とまたすれ違う…ここまで萌え要素無し…ちっちゃいのは別に良いけどビキニアーマーなアマゾネスお姉さんぐらい居ても良いと思うんだけど。なーんてつらつら考えている。

暇なんだなぁーこれが、歩いてるっていっても燃料?を消費するだけだし、まあ今のうちに情報収集しなきゃ。


「あ、そうだ聞いとかないと…ヨークシャーさん!魔法使いってこの辺じゃ普通にいるんですか?」

「え?ああ、いますが…多くはないかな。魔力を持っていても魔法使えない人の方が多いと思いますが、それが何か?」


変に思われたかな?うーん…魔法については修理補給魔法なんてご都合主義なのが俺には付いてるけど、魔法を教えて貰えるならかなりなアドバンテージなるのでは?うむ。


「そうなんですか…ヨークシャーさんみたいな錬金術師さんは?」

「錬金術はさらに少ないな、魔法の道具の研究をして直して普及させれば人々の生活を改善出来るかもしれないのに…地味だからね」

「じゃあよかったら教えてください、魔法と錬金術。覚えられるかどうかはわかんないけど」

「は?…ええ、時間がある時なら良いですが」


使えるのかな?とでも思ったかな?まあ俺もわかんないし…でも使えたら良いよねドラゴンとか出たらいくら戦車でも太刀打ち出来ないだろうし。あ、そうだ【鑑定】


[ステータス:ヨークシャー]

Name:ヨークシャー・バリウス

種族:人間

性別:♂

年齢:34

レベル:48

職業:錬金術師、魔法使い

HP:349/350

MP:420/470

STR:37

INT:120

DEF:26

SPD:36

LUK:48

VIT:33

武装:トネリコの杖、ミスリルリング、ワイバーンのローブ


魔法:補助魔法《中級》攻撃魔法《中級:火・風・水》、回復魔法《初級》、錬金術《中級》

技能:鑑定、魔力感知

耐性:耐魔力、耐精神干渉

称号:錬金術マスター


おお、凄いんじゃね?


「ちょっと、トリーさん!何を!」

「え?」

「今の鑑定ですよね?なんでゴーレムが!」


やっべーバレるんだ…そりゃそうか魔法とか詳しい人ならわかっちゃうのか失敗失敗。あ、技能に【魔力感知】なんてあるけどそれでか…やっぱマナー違反なのかな?ラノベとかでそうゆう話見たことあるけど。


「すすすみません、つい…」

「…いや、普通ゴーレムや魔物が鑑定なんて使う事なんて無いし…これはますます詳しく調べてみなきゃ!覚悟してくださいよー?」


どひー!思ったよりヨーキーさん魔法バカなのか?まあ俺のポカも流してくれるし、こんな魔物(泣)に親切にしてくれるならまあ良いか、今度から気をつけよう。


「アトリエに着いたら色々聞かせてくださいね?」

「うひー、ハイハイ答えられる範囲なら…こちらもいろいろ教えてくださいね?まずは生活するために常識仕入れなきゃ」


なんかポカンとした表情でこちらを見るヨーキーさん。そんなに変かな?ちょっと傷つく。


「わかりました…着きましたね、こっちです。」


気を取り直したように都市の門の方を向いて、門の前で並んでる商人さん達を縫って避けつつ別の入り口の方へ…どうやらヨーキーさん偉い人みたい。優先的に通してくれる伝手があるのかな?大人しく…もう周りの目線が痛いけど着いて行こう。


[現在のステータス]

Name:トリー

種族:戦車

性別:♂

レベル:1

Type: III号L型

HP:100/100

MP:100/100

STR:100

INT:100

DEF:100

SPD:100

LUK:10

FUEL:45/200

兵装 主砲:81/84 機関銃A:3220/3500 機関銃B:3350/3500 スモークディスチャージャー:3/3


魔法:修理・補給、念動

技能:簡易鑑定、周囲索敵、改造・パーツ召喚

耐性:耐火、耐熱、耐冷、耐衝撃、毒無効、麻痺無効

称号:渡来人


実は日本人だった時の苗字は鳥居さん、ぼんやり覚えてたんですね。

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