マッドショタジジイ登場
毎日暑いですね
予定より遅れたけど王都には夕方到着、ヨーキー師とギルド長の手紙のおかげで受付チェックは早々と通過、ありがたいね。
「世話になった、我が輩はこのまま仕官のアテを当たってみる」
「そうですか、頑張ってください!」
ドランさんとイズーとはここでお別れか。
「イズー、ドランさんに可愛がってもらうんだよ?」
(ハイです、頑張りますです)
「ではな、また会おう」
小さくなったイズーを背中のバックパックにしまって颯爽と去るドランさん、就職上手くいくと良いね。俺たちはまずヨーキー師の師匠さん会わなきゃ。
◇◆◇◆◇
キュラキュラキュラキュラ
人通りが多いから進むのも一苦労、時々衛兵さんに止められるけどヨーキー師の手紙と冒険者ギルドカードを見せてなんとか切り抜ける。ミミム、ログ、アルフィン、アズは賑やかな王都の雰囲気にキョロキョロするのに忙しいけどね。幸い、師匠さんの家は門から近くてちょっと進んだら着いたけど…ここ?どう見てもスラム、幽霊屋敷だけど…ヨーキー師の邸宅もそうだったな。うーん、悩んでても仕方ない。ログくんに門らしき入口に行ってもらって。
「こんにちはー、誰かいませんかー」
………へんじがない、ただのしかばねのようだ。もとい、留守かな?
「こんにちはー」
「誰じゃーっ!!」
「…っ!」
崩れ掛かった門を突き破って銀髪の巨人のような顔が、顔だけが飛び出してきた!わ、ビックリしたぁ
「わーっはっはっは!ビックリしただろう?ビックリしただろう?」
「か、顔が…」
「というわけでワシがモードベン博士じゃがお主らは何もんじゃ?」
幻術だったのか、大きな顔が消えて小柄な…ログくんより小さな白衣姿で銀髪の男の子?女の子?が出てきた、博士?という事はこのショタジジイがヨーキー師の師匠?
「ども、メルカリウスのヨークシャー卿からお手紙を預かってきました」
気を取り直して俺が挨拶し【収納】から預かった手紙を出して
「おーおーおーおーキミかぁ、ヨークシャーから聞いとる聞いとる、まあ入れ入れ」
やっぱりそうなのか、しかしどう見ても子供にしか見えんけど…まあここで立っててもしょうがないから遠慮なく入るか
「しかしヨークシャー卿のお師匠という事ですからもっとお年を召してると思ってましたが…」
「若返りの法術が上手き過ぎてな、それよりキミじゃよ…その体、一体どうなってるんじゃ?」
「それはこの後でじっくりと…」
「そうじゃな、まずは飯にしよう」
「私は食べれませんがね」
「難儀じゃのーではまた後で、他の者はウチの食堂で何か食べてくれ」
とりあえずモードベン博士邸の裏庭の使ってない馬小屋に入れて貰って、他の子達は館に入って食事と一休み。
◇◆◇◆◇
いつものように【洗浄】と【補給・修理】を済ませて…ちょっとヒマなので産婆のおばあさんに貰ったサモネラの束と乳鉢セットを【収納】から取り出し調合を始める。魔力をかけながらゴリゴリすり潰しつつ果実酒から抽出したアルコールで成分を溶かし出し【不純物排除】して…液がカッと光った。完成かな?瓶に詰めて【鑑定】
【鑑定】殺菌薬《最高品質》
んお!思ったより良い出来ですね。
「なんじゃ?それは」
「ああ、博士…これは怪我した時などに使う消毒液です」
館からやってきたショタジジイ博士が瓶を覗き込む
「消毒液?なんでそんな物を使う?治療薬かければ済むであろう」
「この空気中には見えないほど小さな生き物がうようよいまして、それが傷に付着して悪さをするのを防ぎ傷の治りを早くする為に使う薬です」
「目に見えない?小さな生き物?なんじゃなんじゃ?それがヨークシャーが言ってた前の世界の知識というものか?」
「ええまあ…」
まず見てもらった方が良いか【錬金術・変形】で精度の高いガラス玉を作り、小さなL字の鉄板に小さな穴を開けてガラス玉をハメて、ネジを取り付け簡単な顕微鏡を製作。地面の泥水を採取してガラス板に挟みネジの先にセットしてガラス玉を覗き込むとうようよと蠢く何かが
「それはなんじゃ?」
「まあ見てみてください」
「ん〜…これはなんじゃあああ?」
「かなり小さいですが生き物です。傷が泥水で汚れると体に入り込んで病になるというわけです」
「…うーんんん」
レーウェンフックの顕微鏡は簡単に作れるから良いね、ショタジジイ食い入るように見てる。
「ふう、お腹いっぱいー」
「食べたねー」
「おなかぽんぽこりんたん」
(食べたっスー)
みんな戻って来た…って、もう部屋で休むんじゃないの?
「デザートは」
「別腹たん」
ええい、この食いしん坊ケモミミ主従め!ちょっと待ってなさい。ヨーキー師の食堂から前に貰ってたオレンジを取り出して皮をすり下ろし、果汁も絞ってミルクと卵黄、砂糖を【温め】ながら入れてよく混ぜて。
「そんなに砂糖を使うのか!」
顕微鏡ショックから立ち直ったみたいだね博士、密封出来る容器に混ぜた液を移して蓋を閉め【急冷却】しながらシェイク…出来た!簡単アイスクリーム。
「冷た〜い」
「甘〜い」
(おいしー♪)
「ペロペロ」
良かった、好評のようだ。
「こ、これは…こんなの食べた事ないおかわり!」
「終わりです」
「そおおんなぁ〜」
ショタジジイがショタになってまんがな。口の周りとちびっこ達と一緒にクリームでベトベトにしてるからみんなに布巾を渡して。
「…しかしお主が別の世界からやって来たというのは疑いようがない事のようだな」
「え?そうなんですか?」
「昨日も人間だって言ってた」
(どうゆう事っスか?親分)
「くうくう」
これはみんなにもそろそろ説明しなきゃいかんみたいだね…アルたんはもうミミムちゃんの膝の上で寝てるけど。
「この話はヨークシャー卿にしかしてませんが…私はこことは別の世界で一度死んで、魂だけこちらの世界に呼び寄せられこの戦車の体に封じられてるみたいなんです。私がいろいろな知識があるのはその別の世界の知識からです」
「そーなんだ…」
「うむ、奴の手紙にそう書いてあった。その戦車とやらの体は古代魔法文明人が作ったのだとか」
「ええ、ただこの形は私の元の世界の物を参考にしてるみたいですが」
「ほお…」
ロリに見えるがショタな博士は腕を組んで考え込む…ミミムちゃんは絶対わかってないよね?
「という事はこの戦車とやらの形に何か意味があると言うわけじゃな?」
「そうですね、私の世界では戦闘車両と言って戦争に使う物をでしたから…古代人が戦争の為にコピーしたのではないかと」
「なるほど…」
「ただ私自身はこうゆう戦闘車両の扱いに詳しい軍人というわけじゃなく、ごく普通の…こちらで言えば鍛治職人みたいな者でしたから、なぜ私が呼ばれたのかは謎です」
「うーん、そうなのか…」
そう言ったっきり腕を組んで唸るだけになっちゃった博士をそっとしといて…完全におネムなミミムちゃんとアルたんをログくんに客間で寝かせるように任せて、アズはそっと持ち上げて砲塔の上に乗せて寝かせる。
「古代人の間で大きな戦争があったと言うのが伝承には残ってる。たぶんその為の兵器だったのじゃろう」
「それはあり得ますね、実は私が目覚めた洞窟に資料などが残されてましたから調べれば何かわかるかもしれません。資料はヨークシャー邸に置いてありますが」
「おお!そうじゃった、手紙にも書いてあったな古代語の翻訳をして欲しいと。ワシがわかるから一緒に行ってやろう…ただ困った事にこちらでの課題が残っておってな」
ポン!と手のひらを握りこぶしで軽く叩いて思い出した!って顔をする博士。そうそう俺も思い出した、博士もなんか課題があるんだったよね?
「お主、ゴーレムを作ったのであろう?自ら考えて生きてるように動くゴーレムを!」
「ええまあ…誤魔化しですが『自律稼働するゴーレム』は出来てますね、今はヨークシャー邸でメイドをしてますが」
「それよ、普通の方法でゴーレムを作り魔石に命令を書き込んでも書き込める命令には限度があってな、やはり今の技術では簡単な命令を繰り返すだけのゴーレムしか出来んのじゃ」
「うーん…」
とりあえずこの前作ったのでサリーさんを参考に、ステンレス板を【変形】させ、ガ◯プラ関節でサリーさん像をその場で製作。そんな良い魔石じゃなくて良いか。オークの魔石を心臓部に装着。【ゴーレム魔法】を掛けて素体は完成。
「この前作ったのはこの素体にゴーストを憑依させて自律稼働するようにした誤魔化しゴーレムです。憑依してくれるゴーストさんがいなければ意味無いですから」
「こんな短時間でここまで精巧な…」
唸ってる博士の前で、素体にラジオ体操をさせて見せて。
「こっちの世界の錬金術はとても優秀ですよ。向こうじゃ魔法が無いからここまで作るのに物凄い時間と部品とお金が必要ですから…ただここから先は向こうでも解決してない問題でして、いちいち命令を書き込んでたらさらにとんでもない時間と書き込める容量が必要で、そこをどう解決するかが…うーん」
「元いた世界に魔法が無い…手紙にも書いてあったがとてもそうとは思えんな、そのように軽々と使いこなしてるのに」
「ああ、この古代人が作った戦車の体が優秀なのと、魔法のイメージだけはおとぎ話とか神話や伝説いう形で向こうにも有ったからでしょう…あ、そうだ博士、記憶を何か…そうだな、魔石とかにコピーする魔法とか有りませんか?」
「ある事はあるが、そんなに入らないぞ」
「まあやってみましょう」
浄化した適当な魔石を【収納】から出して博士に渡し
「で、誰の記憶を入れる?」
「やはりメイドさんでしょう」
「ではしばらく待て」
読んで来てもらったが…優しそうなおばあちゃんメイドさんでした。
「じゃあメイド仕事をイメージして貰って…」
「わかった、その記憶を写すのだな」
さて、上手くいくかな?
なかなか可愛く描けませんです。困った




