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プロローグ
卒業文集に書いた将来の夢は正義の味方だった。
それが叶わないと気づいたその後すぐのことだった。
どうやらこの世界での私の役割は
『化け物』
私が何をしたのっていうの。
私はこの力をみんなのために使いたかった。
別に感謝をされたいとかそんなんじゃなかったんだけど。
今では私の世界は真っ暗な部屋の中だけになってしまった。
親さえものその扉を開けようとしない。
涙なんて枯れてしまった
なんて言ったらちょっと臭すぎるかしら。
『もしあなたの願いが叶う世界があるって言ったらどうする』
誰かに声をかけられた。でも誰?
そんなことどうでもいいか。
『もしあなたの願いが叶う世界があるって言ったらどうする』
そんな世界が……
そんな世界があるっていうなら・・・・・・
私はその声を受け入れた。