付録 ブログ記事・誤字に気を付けよう
【作者コメント】
前話「4.誤字・脱字」に出ていた、先輩のおじさんが書いたブログ記事です。
付録ですので、本編に直接関係することはありませんが、参考までにどうぞ。
単なる変換ミス、意味の取り違い、漢字の覚え間違い……。
ネット小説では、こうしたことが原因で、多くの誤字が見られます。
ここではそうした誤字をリストにしてみました。執筆や推敲の参考にしてみてくださいね。
○ リスト
意外/以外
いずれ/いづれ
延々と/永遠と
確率/確立
勘/感
感心/関心
勘弁/簡便
再会/再開
自体/事態
~という/~とゆう
~通り/道理
ところで/所で
~なんだ/~何だ
なんて/何て
~は/~わ
味方/見方
みたい/見たい
尤も/最も
野郎/野朗
歴とした/列記とした
○ 解説
以下に上記のリストを一つ一つ解説したものを載せますが、リストだけでわかるのでしたら見なくても構いません。
・意外/以外(頻出)
正しくは意外と書こうとして出る変換ミス。反対は意外と少ないですね。
たぶん一番多い誤字なので、使用の際には特に気をつけてみてください。
・いずれ/いづれ
言うまでもないでしょうが、いずれが正解。
単純な誤字ですが、~しづらい、などず・づの扱いに迷う方もいるのでしょうね。
・延々と/永遠と
おそらく勘違いからくる誤字で、延々とと書こうとして永遠を用いてしまっている例を見かけます。
たぶんですが、永遠と、という表現はないでしょう。永遠に、ならわかりますけどね。
・確率/確立(頻出)
正しくは確率と書こうとして出る変換ミス。こちらは反対も時折目にします。
これも一、二を争うくらい頻出しているので、特に気をつけてください。
確率を云々するシーンって知的な場面(たとえば推理シーンですとか)が多いので、間違えると余計に間抜けです。
・勘/感
混同しがちなのかもですが、直感でわかったりするカンは勘の方です。いわゆる女の勘、というやつ。
後者の感を誤って使ってしまっている方も見かけますので、ご注意あれ。
・感心/関心(頻出)
意味を混同しているのか、変換ミスか、これも正しくない変換をよく見かけます。
皆さん違いはお分かりかなとは思いますが、カンシンカンシンと頷くときは感心、カンシンがあると興味を示すときは関心ですね。
・勘弁/簡便
時折見かける変換ミスなのですが、カンベンしてくれと悲鳴を上げるときは勘弁の方ですね。
簡便は簡単の類義語で、たぶんそんなに見かける機会のない単語だと思うんですけど。なんだか誤字でよく見ている気がします。
・再会/再開
単純な変換ミスで、再会と書こうとして再開と変換ミスしていることが多いでしょうか。
意味は明らかなので省略しますが、再会というのはシーン的に大事なことが多い単語なので、ちょっと注意が必要ですね。間違えられると読者が脱力しちゃいます。
・自体/事態
これも単純な変換ミスでしょうが、自体と書こうとして事態と変換ミスしていることが多いですね。
それジタイ、という場合は自体が正しいです。緊急ジタイでは事態。不要だとは思いますが、念のため。
・~という/とゆう
明らかな誤字ですが、後者は時折見かけますね。
言うまでもないと思いますが、口語では ~とゆう と発音しても、小説などでは ~という(言う) と書きます。
個人的には、口語的に崩して書きたいなら ~とゆー ぐらいはっちゃけて欲しいところです。
・~通り/道理
混同しがちな単語ですね。ドオリとドウリなので変換ミスではないでしょう。
まえぞのさんのゆーとおりっと歌うなら通り、どうりでと感心したなら道理ですね。
・ところで/所で
漢字変換について の記事でも触れますが、こうした無意味な変換による誤字もネット小説では少なくありません。
By the way は接続詞ですので、場所を意味する所とは関係ありません。床路で、と書いているのと大差ない誤字です。
接続助詞としてのところでも、形式名詞は変換しないのが原則ですから(詳細は 漢字変換への参考文献 を参照)、変換は誤りです。
・~なんだ/~何だ
これもまた無意味な変換による誤字です。そうなんだ、というときに後者のような変換は不要ですね。
この語は~なのであるの口語化したものなので、変換は不要というか誤りですか。
・~なんて/何て
同じく無意味な変換による誤字です。あなたが犯人だなんて、というような副詞のなんては変換不要です。
などと の音便化したものですので、これまたwhatは関係ありません。
・~は/~わ
わたしわ、という誤字は、たぶん誤字じゃなくてギャル語的なものなんでしょうね。私的なメールなどでは目にしますし。
でも、小説で普通に使うのはちょっと……あえて言うなら、メールやブログ記事と小説は違う、としか言えませんね。はっちゃけるならいっそ ~ゎ と書いて欲しいところです。
・味方/見方(頻出)
これも単純な変換ミスですが、オレはお前の見方だ、だなんて決め台詞を言われると読者は吹いちゃいます。
大事な単語なので、間違えないでおきましょう。
・みたい/見たい
これも無意味な変換による誤字ですね。
そうみたいだね、と頷く場合はみたいだという助動詞の変化形なので、見ることは関係ありません。語義ではそうでしょうけど。
・尤も/最も(頻出)
無理に変換せんでもええのに、と思う誤字の典型です。
ごもっとも、と相手の意見に頷くときは尤もが正しいですが、こんな変換は読みづらいだけですし、ましてや変換ミスまでしていると一層間抜けです。
・野郎/野朗
このヤロウと罵るときは野郎を使いましょう。人を意味するのは郎の方で、ほがらかを意味する朗では、なんか野原で朗々と歌でも歌ってるみたいです。
ところで、うちのIMEさんでは後者の変換が出ないんですが、野朗ってどうやって間違えるんでしょうか。はなはだ疑問です。
・歴とした/列記とした
れっきとした、という表現がありますが、前者の方の歴としたが正しいです。
それほど使う表現でありませんが、そこそこ頭が良さげに見えるワードでの誤字は痛々しいので注意が必要です。よく理解していないで使っているのがモロバレです。