まさかのクラス
――ここは1年4組、沙羅と愛莉のクラス。
「沙羅ー席自由だって~近くに座ろ。」
「ん、いいよ。窓側行こ。」
「やっぱそうだよね。じゃああたし沙羅の前いくから沙羅一番後ろね。」
「分かった。」
席に着いてクラブの話などをしていると…
「「「「「キャー!!夕霧の皆様よ!」」」」」
女の子たちの悲鳴が。
な、なにっ!?なにごとっ!?
「あーそういや夕霧の幹部たちこの高校入るって噂聞いたな。」
ゆうぎり…?
「愛莉、ゆうぎりってなに?」
「沙羅ここ地元じゃないんだったね。夕霧っていうのは、ここら辺最強と言われてる暴走族のことだよ。幹部が揃ってイケメンなもんだからあの女子の悲鳴があがるわけ。特に総長はすごいイケメンらしいよ。でも女嫌いなんだとさ。男子としか話さないんだって。」
「へぇー。そんな人たちがこの高校に入ったんだ。」
まあ、もうわたしは闇龍の総長じゃないし、関係ないか。
「こっちにいらっしゃるわ!」
「キャー!」
にしてもすごいな…女子の声。うるさい…。
「おい、てめぇら、邪魔だ、退け。」
「ちょーっと通してね~」
ん?この声…どっかで聞いたような気がする。
どこだっけな…つい最近聞いたんだけどな。
「あ、あたしらと同じクラスみたいだよ。」
「まじか。うるさそうだね。」
「だねー」
なんて話していたら…
「あーーー!!お前!」
「あ、さっきの。」
「地味子だ。」
「地味子だね。」
な、なにっ!?夕霧とかいうグループの人達がこっちにくるんだけど。って…あれ?この人達って…まさか、さっきぶつかった人の取り巻き!?
「誰が取り巻きだ!仲間だ仲間!」
そこどうでもよくね!?
「よくない!重要!取り巻きってのはあそこの女共みたいなのを言うんだよ!」
あぁ、それは分かる。
じゃなくて、
「わたしに何かご用ですか?」
「あーそうそう、君の名前教えて。」
「…は?」
「だーかーらー!君の名前を教えてっていってんのー!」
「はぁ…」
やだやだ、絶対やだ!
この人たちに名前をいってはいけない気がする!
「ちょ、沙羅!あんた夕霧と知り合いなの!?」
うわあぁぁぁ!!ちょ、愛莉さん!なんで名前言っちゃうの!
「え?沙羅?…そんなわけないか。」
ん?今この人なんかいった?
「へぇー!沙羅ちゃんっていうんだ!可愛い名前だね~」
なんかこの人チャラいな。
「俺、高城純!よろしくね、沙羅ちゃん♪」
うわ、笑顔が天使みたい!超可愛い!
でもよろしくしません!わたしは平和な高校生活を送っていつか闇龍のみんなに会いにいくんだから!
「みんなも自己紹介しなよー!」
「そうだな。俺は城ヶ崎秋良。よろしく。」
「俺は島崎孝太だ。よろしく。」
「オレは速水健斗!よろしく。」
「ほーら!遊も自己紹介!」
「あ?やだよ、こんなやつに自己紹介なんて。」
「じゃー変わりに俺が紹介するね。」
「は?ちょ、純!ま、待て「こっちは笹木遊だよ。仲良くしてやってね。」
「仲良くしねーよ!」
うん、わたしも遊さんと同じ意見だ。
「で、こっちの沙羅ちゃんがぶつかったのが、安本悠希!俺らの総長だよ。女嫌いで女の子と話さないけどよろしくね。」
だからよろしくしないんですけど!?
「あ、あたしは高坂愛莉っていいます。沙羅の友達です。」
おいぃぃぃ!?
愛莉まで自己紹介しちゃってるよ!
はぁ…もう名前くらいいいか…。
「幸村沙羅です。申し訳ないけど暴走族とは仲良くしません。」
「あ、そこはあたしも同じです。」
「えー?仲良くしよーよ!悠希が初めて話した女の子なんだからさ、沙羅ちゃん!」
「知りませんよ、そんなこと。」
頼むから平和な高校生活を送らせてくれ!
「あれ?悠希、席そこにするの?」
「あぁ。」
「じゃー俺らはこの辺だね。」
「そうだな。」
えぇぇぇ!?
ちょっと!?なんでこうなった!?
今なぜかわたしの隣に悠希さん?が座ってて…簡単に説明するとこんな感じ。
孝太 遊
秋良 純
愛莉 健斗
沙羅 悠希
なんでこうなった!?
「よろしくねー沙羅ちゃん、愛莉ちゃん♪」
どうやらわたしは平和な高校生活は送れないようです…トホホ…