出会う前
わたし、幸村沙羅は伯母の家にお世話になっている。
なぜなら、わたしには家族がいないからだ。
わたしには兄が一人と姉が二人いたが、この兄姉と両親は3歳のときに事故で死んでしまったらしい。
その事故があった日はわたしの誕生日で、家族はわたしのプレゼントとケーキを買いに行こうとしているところで事故にあったらしい。
事故のあった日がわたしの誕生日だったことから、親戚には疫病神と言われ最後までわたしを誰が引き取るのか決まらなかった。しかたなくといった感じで今の伯母さんの家に来てから13年がたとうとしている。
まあ、わたしの近況はこんなとこです。
いろいろ大事なことを省いたような気もするけれど、あとで分かるからいいよね!うん。
「沙羅ー!ちょっと降りてらっしゃい。」
げ、伯母さんが呼んでる…
行きたくないけど行かないとあとが怖いからなぁ…
「今いきます!」
伯母さんがわたしを呼ぶなんて珍しいな。何の話だろ。
「あ、来たわね。あなた、高校はどこにいくつもりなの?明日までに決めて報告してちょうだい。分かったわね?」
「はい、分かりました。伯母さん」
「まあ分かってるとは思うけど、全寮制の学校しか認めませんからね。これ以上私たちに迷惑をかけないでちょうだい。」
「……はい。」
☆☆☆
「はぁ…高校か…」
はっきりいってどうでもいい。伯母さんに言われなくてもこの家からは出ていくつもりだったし。
まあ、明日友香と那奈にでも相談して適当に決めればいっか。あ、友香と那奈っていうのはわたしの幼馴染みみたいなもので大切な仲間なんだ。
そうそう、わたし闇龍っていう暴走族?みたいなのの総長やってるんだ。友香は副総長で那奈は書類とか意見をまとめる役。
どうせ闇龍みんな同じ学校に行くんだろうし、学校生活はちょっと楽しみだな。
なんか眠くなってきたなさ宿題やってないけどいっか。このまま寝ちゃおう…おやすみ…なさ…い…
――そう、わたしはこの時闇龍のみんなと楽しい高校での学校生活が待ってると信じて疑わなかった。まさか、あんなことになるなんて…思ってもいなかったんだ。