ちょっと小話Side悠希
――ここは悠希の家の悠希の部屋
最近の俺は、どうもおかしい。
なぜなら、沙羅相手に嫌悪感を感じないからだ。他の女はいつも通りダメなのに、沙羅だけは大丈夫なのだ。
さらに、沙羅と話したりするとたまにドキッとしたり動悸が激しくなったりする。どこか病気なのかと思い、病院で検査までしてもらったが、どこにも異常はなかった。
これを健斗に相談すれば馬鹿にされるだろうか。しかし、そんなことを考えている余裕はなくなった。最近さらに酷くなっていて、沙羅を常に目で追ったりするようになってしまったのだ。沙羅の過去を聞いてから特に、沙羅のことを考える時間が多くなった。
やっぱり、一度健斗に相談してみよう。
「おい、健斗。」
俺の前に座るやつに声をかけると、
「なんだ?」
といつも通りの返事が返ってきた。当たり前なのだが、それに少し勇気付けられて相談してみた。
「というわけなんだ。なあ、俺どっかおかしいのか?」
そう尋ねる俺に、健斗は一瞬キョトンとしてから、爆笑しだした。
「ひーっ!悠希、お前、どこまで鈍感なんだよ!あー、腹痛ぇ。」
目に涙まで浮かばせながら笑っていた健斗は、涙を拭って少し落ち着くと、真剣な顔で…
「それはな、悠希、恋だよ。」
といった。
「は?」
こい…コイ…恋?俺が?
「ありえねぇ!俺がそんなもんするかよ!」
「いや、してるだろ。」
「してない!」
そう、してる訳がない。この女嫌いの俺が恋なんてするものか。
「じゃあ悠希、沙羅が他の男と幸せそうに話してたらどう思う?」
沙羅が他の男と幸せそうに話してたら…?
「イラつく。相手の男を殴りとばす。」
「それはな、焼きもちって言うんだよ。悠希、お前は沙羅が好きなんだ。よかったな、やっと初恋じゃねぇか!いやーオレは嬉しいよ!」
これが…好き?
そうか…俺は沙羅が好きなんだ。
俺は沙羅が好き。そう思うと、なんだか胸のつっかえが取れた気がした。
「サンキュ、健斗。助かった。」
「おう、いいってことよ。応援してるから、頑張れよ!」
「?あ、あぁ。」
なんだかよくわからなかったが、とりあえず返事をしておいた。
――自分の気持ちに気付いた悠希。果たしてそれは沙羅に届くのだろうか。そして、沙羅の本当の姿をいつ見れるのだろうか…先はまだまだ長いのだった。




