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いつかきっと、あれは過去に埋もれていく。

作者: リュッシー

手を離したものはもう二度と掴めず。

掴もうとしなかったもの、掴めるとはいざしらなかったものも二度と掴めず。

この世界は簡単故に失うことも簡単。

されど簡単に見えるこの世界はまた複雑。

そんな矛盾でなりたつこの世界で生きる僕ら。

愛した人を失って、肉親を失って、祖父母を失って……そんな悲しいことが起こり、

そして悲しみに打ちひしがれる。

一夜明け、朝が来る。悲しみを背負いながらこう……いつもと変わらぬ日々を過ごそうとする。

すると目に見える風景は何も変わっちゃいない。

自分は悲しみを背負い、まるで違うような世界にいるのに、周りは一切合切知ったことじゃないとのようなふりをしていつもと変わらぬ日常を過ごしていく。

いや、分かるはずがない。変わるはずがない。悲しんでいるのは自分だけだ。

そうして変わらぬ世界にいつもと変わらないように身を投じていると悲しんでいるのが馬鹿馬鹿しくなる。自分だけ心の中でメソメソとしていても、周りはそんなことはいざ知らず、ただ時は進む。

そうして馬鹿馬鹿しく感じ始めると今度はその悲しみを受け入れ始める。

そして完全に受け入れ終わると、いつかあの悲しみも過去に埋もれて消えていくんだろう、そう思ってしまう。

「あの」とは離れたものをさす。もう既に過去のことと成り果てている。

そしてそこまで来ると悲しみなんて感じない。

受け入れてしまえばさして辛いことでもなくなる。

そしていつもと同じ自分がいつもと同じ日常に放り込まれる。そして変わらぬ日々をまた過ごすことになる。

そして、そんな自分に何時の間にか刻み付けられていた疲れ切った愛想笑い。


そうしてまた今日も一日生きていく。

いつもと変わらぬ日々を。

いつかきっと受け入れていれば消化はされる。

いつかきっとそれは消えてなくなっていくだろう。

それに伴う多大なリスク。それは人それぞれ。

俺が無くしたものは悲しさ。

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