No,0 プロローグ
これからどうすればいい?
鳥かごを抜け出して、やっと得たものは自由。けれども代償は大きかった。
彼女は大丈夫だろうか。
あの人は――
「お嬢さん、何処へ行くんだい?」
聞き慣れない男の声に体をこわばせる。まさか、もう見つかってしまったのか!?
「……先を急がなければならない。そこをどいてくれ」
平静を装いながら声の主に言う。
「急ぎの用ってわけかい。だったらオレ達が手伝ってやるよ」
「何ならその後の面倒も見るぜ?」
目前にはガラの悪そうな男達。そのそれぞれが顔に下種な笑いを浮かべている。
どうやら追っ手ではないようだ。だが面倒なことになった。
「本当に急いでいるのだ。どいてくれ」
「だから手伝ってやるって」
そう言って手をつかまれる。
「それは本当か?」
「本当、本当。さあ、いこうぜ」
男達は相変わらず下種な笑みを浮かべている。
「……やはり一人で行く。世話をかけたな」
感情を抑えた声とともに手を振り払おうとしたが、できない。
「なんでぇ、つれないじゃん」
「まだお世話になってないぜ。これからだろ」
下種な笑いと裏腹に握力は強かった。
「……手を離せ。汚らわしい」
今度は強引に手を振り解き、次の行動にでることにする。
「おおっと。そう簡単には……ぐえっ!?」
隠し持っていた剣の柄で男の腹部を突けば男の一人が倒れこんだ。
「手を離さないからだ。忠告はした」
こいつらにかまっている時間はない。一刻も早く行かなければ。
「お嬢さん、ちょっとおいたがすぎたようだな」
さっきより幾分、怒気を含んだ声。
「自業自得だろう」
忠告はしたはずだ。それを聞かなかった貴様たちが悪い。
「これはオレ達がしっかり教育してやらないとなぁ」
「その役俺にやらせろ!」
「へへっ。美人のお相手かぁ」
いつの間にか、周りを囲まれていた。
「もう逃げ場はないぜ?」
「さあ、教育のやりなおしといこうか」
「…………」
無言で剣を構える。
敵は全部で5人。倒せるか?
こんなところで時間を費やす余裕などないのに……!




