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キミの夢はワタシの夢

作者: 汐野 夢咲
掲載日:2026/03/06

「おばあちゃん、僕のかわりに世界中の人を幸せに

して⋯」

そう言い遺して孫の逞は旅立った。逞は、高校入学

を目前に控え、病に倒れてしまった。それから半年

も経たずに天国へ逝ってしまった。15年という短す

ぎる命だ。この15年を逞なりに走りまったと思う。

逞は小学校の頃から、遊ぶことよりも勉強が好きだ

った。特に世界のことに興味を持っていた。子ども

の貧困や教育など、困っている人を助けたいという

気持ちがあったようだ。


葬式も終わり、家族みんなで逞の部屋を片付けてい

た時、勉強机の上に「世界のみんなが幸せになるた

めに」と書かれた1冊のノートを見つけた。中を見

てみると、最初のページに「僕は将来、世界中のみ

んなが幸せに暮らしていけるように困っている人を

助ける人になる!」と大きな文字で書いてあった。

私は泣き崩れた。私の息子で逞の父である航生がか

けよってきて、


「母さん、大丈夫?なんだこれ?ノート?」

「うん。逞が書いてたみたいで」

航生がノートに目を通し、言った。

「母さん昔、貧困とかで悩んでる人たちのためにい

ろいろやってたでしょ?例えばこのお菓子を買った

ら、お金が募金されるとか。それを教えたらそのお

菓子ばっか買うようになってさ」

なんていい孫をもったのだろう。他人のために役に

立ちたい。他人の幸せは自分の幸せ。そんな逞の夢

を叶えてあげたい。逞の幸せは私の幸せだから。


私はさっそく行動に移した。SNSで私がやりたいこ

とを発信した。逞が書いたノートをもとに行動して

いく。

積極的に募金に参加したり、着なくなった服を世界

の人たちに贈ったり。その様子を発信し、協力者を

募った。

集まってくれた人たちで世界支援団体を立ち上げ

た。

私たちの元に、世界中からたくさんの依頼が届い

た。


しかし、依頼の中には、金銭面や、紛争で現地へ行

くことが難しいなどのさまざまな課題があった。私

たちにできることは限られていた。


でも、できることをやることが私たちの役目だ。

金銭面に関しては、クラウドファンディングや寄付

金でまかなった。1つずつ依頼を受け、国や町がき

れいに、そして子どもたちが教育を受けられるよう

になった。

そして、私の家族、石見家も一丸となって世界と向

き合ってきた。その功績が認められ、国から援助を

受けることに。私は「Miki.Iwami」として世界か

ら称賛された。


「美紀さん、すごいじゃないですか!」

「ううん、私は当たり前のことをしてるだけ」

この問題に終わりはない。


逞。

おばあちゃんは、逞の夢を追い続けてるよ。

逞が納得するかわかんないけど。

逞が願った世界は叶ったかもしれないね。

これが続くようにおばあちゃん頑張るから見てて

ね。

                  おわり

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