彼からの年賀状が毎年1月5日に届くので“今年こそは元旦にとどきますように”と願いながら今年の元旦もポストを覗く
片思いの人に年賀状を出すことは、とても勇気のいることです。
毎年勇気を出して年賀状を送っていた女の子と、受け取っていた男の子の
淡い恋の物語
私にはずっと片想いしている男の子がいる。
小学5年生の頃に勇気を出して初めて年賀状を書いた。
元旦になると、家族の誰よりも早くポストへ行き、
彼からの年賀状が届いてないか確認したものだった。
もちろん届いていることはなく、翌日もそのまた翌日も、
ポストを覗いては深い溜息が漏れていた。
この習慣は、翌年もそのまた翌年も続いた。
何年経っても彼の『年賀状を出す人リスト』に私はいないようだ。
その証拠に毎年1月5日になって彼からの年賀状が届く。
書き出しはいつも同じ。
『今年も年賀状ありがとう』
“毎年送ってるんだから、そろそろ元旦に届いても良くない?”
心の中でぼやいてみても現実は変わらない。
かと言って直接本人に言う勇気もない。
そして気がつけば7回目のこの季節がやってきた。
約15センチ✕10センチの長方形の紙の上に
心を込めて新年の挨拶をしたためる。
初めて年賀状を出したあの日小学5年生だった私も、今は高校2年生になっている。
今年はどのような結果になっても、気持ちを伝える覚悟を決めていた。
あっという間に元旦を迎え今年も私は家族の誰よりも早くポストへ向かう。
年賀状の束を手に、1枚ずつ確認する。
⋯⋯ない。
今年もやはり元旦には届かなかった。
まあいい。きっとこの先何年経っても彼から元旦に年賀状が届くことはないだろう。
それならば、自分の気持ちをきちんと伝えよう。
望みは限りなくゼロに近いけど。
そう覚悟を決めて数日後、例年通り1月5日に彼からの年賀状が届く。
相変わらず
『今年も年賀状ありがとう』
から始まる文章。
しかし読み進めてみるといつもはない一文が書かれている。
『直接伝えたいことがあるので始業式の日、放課後教室で待っててほしい』
これは
“毎年迷惑だ”とか
“もう年賀状送らないでくれ”などと言われてしまうのか⋯
気持ちを伝えると決めたばかりの決心が早くも揺らぐ。
そして迎えた当日。
放課後の教室には私しかいない。
パタパタと急ぐ足音が聞こえ、彼が現れた。
「待たせて⋯⋯ごめん⋯」
呼吸を整えながら言葉を続ける。
「毎年、年賀状ありがとう。初めて年賀状が届いたとき、夢じゃないかと嬉しくて⋯
いつも自信がなくて君から届いて返事を書くのがやっとだったけど、毎年、もう来ないかもって考えて不安になって⋯今年こそは自分の気持ちを伝えようって」
一呼吸おいて彼が続ける
「君の年賀状が届く度に嬉しくて、幸せな一年になったんだ。ずっと君が好きでした。」
言葉にしないと伝わらない想いがあります。
大切な気持ちは勇気を出して、直接自分の言葉で伝えたいものですね。




