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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【22000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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クリスタル・ロード 0098  また襲撃?

畑仕事をしながら、ふと思った。


 あの黒信徒と戦う前に災い感知が効かなかったな。

首飾りはずっとしているのに・・・・なぜだ?


効き目があるのは何度も確認しているのに、あの時は何で駄目だったのだ?

地下では効かないのか?


ムーアさんに確認すべきだな。

「あれ? いない? ムーアさんはどこだ?」

さっきまで畑にいたと思ったんだが・・・。


「あら、あの人なら師匠に呼ばれて領主の館に行ったそうですよ」

フレアが教えてくれた。   


そうか、今ならまだ追いつけるかな?

気になるから早めに聞いておくとしよう。


走れば追いつくだろう、鍛えてあるので30分程度は平気だから。

道に出て走り出す、天気が良いので気分爽快だ。

速度を上げると馬車さえ抜けるほどだ。


だが、その速さに追いついてくるのがいる。

後ろからずいぶんスピードを上げて来たので、脇へ寄ったが迫って来る?


振り向くと自分に真っすぐ向かってきている。

これではまるで・・


慌てて横に飛んだ!   

馬車はそのまま突っ込んで店の前の棚を壊し、道へ戻り通り過ぎていく。


周りは驚き騒ぎになっているが、馬車は速度を上げ去っていく。

まるで暴走しているようだ。


「あんた、大丈夫か?」

近くの人が心配してくれるがそれどころではない。

「はい、どうも」


これは、嫌な予感がする。

家には結界とグロフ達がいるし、杖はリーシャに預けてあるから守ってくれるはず。

となると、今危険なのは? 外にいる自分とムーアだ。


考えておくべきだった。   

遺跡で狙われたのは偶然ではないだろう。


自分が狙われるのは何度もあいつらと関わっているので当然としてもだが・・・

自分達のパーティが一番成果を上げているのは噂になったはず。

遺跡探査が呪術に関してと予測されれば、妨害や横取りを狙うはずだし、信徒を殺ったと知れたら報復に来るだろう。


宝を手に入れて浮かれてしまっていたな。


走っている足元に通りの人から水がまかれた。

滑って転びそうになったところに、止まっていた馬車の荷台から大樽が崩れて来た。


「おっとと、くっ」

普段の訓練の成果で全部避けて走り続ける。   

今のもそうなのか? あいつらが仕掛けているのか?


振り向いて探すが、黒フードの信徒はおらず、普通の人達だ。


まだムーアさんは見当たらない。

追いつけないのか? そんなに足が速いのか? まさか(さら)われたんでは?


もう少しで領主の館が見えるはず、無事に着いたのならいいが・・・・。



広場を横切ろうとすると荷物を山ほど積んだ馬車が2台、向かって来るのが見えた。

あれもなのか? 自分を狙っているのか?


周りを見ると子供やお年寄りもいる。

自分がよけられても、他の人をどうする?!


「みんな逃げろ!」   

叫んで近くの子を抱えて走るが、皆は無理だ! 何人救えるか。



その時、時の歩みが変わった気がした。


辺りが妙にゆっくりと動いているような、水の中での動きのような・・・・・

体の動きが遅くなっているが、意識ははっきりとしている。


向かって来る2台の馬車もゆっくりで、()かれそうな人達もゆっくりとで、誰を

助けるべきかをよく考える。


あの人は足が速い、あの人はギリギリ避けられる。

あの子は間に合いそうで、あの子は親が抱き上げた、そして残るのは?


強引に身体を動かし3人の子を抱えて屋台の上へ投げる、そして残り一人を抱えて

脇へ転がると馬車が店に飛び込んだ。   

店の入り口を壊して荷をぶちまけ何とか止まった。


そして時の歩みが戻っていく。



辺りの喧噪(けんそう)が戻って来ると、いつもよりずっと騒がしくなった。



今のは一体なんだろう?




最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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