クリスタル・ロード 0095 魔法会議中
今は会議中である。
何の会議かというと新たな武器、意志を持つ杖に関してだ。
場所は魔法学校の教室。
メンバーはフレア、リーシャ、先生(リーシャ母)、ミミー(呪術師)、アイリス
であり、魔法関係の人材である5名。
杖によりお宝が見つかったし、かなり強い敵に勝ったと説明は済んでいる。
しかも意志が有り、前の主は魔法使いか学者(賢者)と思われる。
そして、遺跡の住人を含めなぜ行方不明になったのかわからない。
宝やこの杖をなぜ置いていったのかも不明だ。
かなりの価値と思われるのに・・・・疫病だったのだろうか?
それにしては骸骨さえ無かったのはなぜなのか?
「この杖に意志が・・・?」
リーシャが不思議そうな目で杖を見つめる。
「魔力があるのは認めるし、変わった気配が有るから普通ではないけど」
「うん、凄い力がありそう・・・」
先生とアイリスは魔力で感じはするが、問題は意志の疎通か?
「大体の意志は伝えられそうだけど、話すことは無理そうかなと」
でもムーアさんは何かわかるだろうかと見るが、眉間にしわを寄せている。
「う~~~ん、呪術でもなさそうだけど・・・刻印は無いし、文字も・・・、師匠ならわかることあるかな~~、でも今は領主の館だしね」
これが発動したときは、鳥が飛び出したような気がする。
その辺を含めて聞けばいいか?
「では、お師匠のマギアさんが時間のある時に聞きますか」
「ちょっと触ってみて良い?」
リーシャが興味深げに寄って来る。
「いいよ、どうぞ」
両手でそうっと受け取り、見つめた後念を込めていった。
「ウインドシールド!」
しかし少しの風が起きただけで、魔法発動はしない。
「・・・・・あれ?」
「魔力がかき消されたね、なるほど、なるほど」
先生が興味深そうに見て、感心している。
「これは・・・・魔法を増幅しないどころか消しているとは! 体系が違うからか」
そうか、普通杖は魔法を増幅するから魔法使いは杖を使うが、これは逆?
アイリスも興味ありげに見てはいるが、自分の杖を抱きしめていて手を出さない。
警戒しているのだろうか?
丁度そこへ、呪術師のマギアさんがやってきた。
「ここにいたか、ミミー おいで! 領主の館で解読作業始めるよ!」
「わっ、師匠! 私もですか?」
「よう坊や、あんたが見つけた書物が大当たりだね、これから解読だよ、 ミミーを
しばらく連れてくよ、いいね?」
「ちょうどいい所へ、この杖で聞きたいことが」
杖を見せてマギアさんに先ほどの説明をした。
「ふ~~~ん、 意志を持っている、か? 面白いね」
マジマジと見つめて考え込んでいる。
「鳥が出たって? 光る鳥ね・・・・・ 魔法を撃ち消した? 杖が?」
「なるほどね~~~、攻撃魔法とは違うか? なら召喚に近いね!」
「「「召還魔法!?」」」
アイリスとフレア、先生が同時に言う。
「それも主の命令を待たずにとは、自主的発動だね 自己召喚か? 面白い!」
さすがにもう大体わかったようだ。
やはりこの人は普通と違うな、頼りになる。
「でも詳しくは後だね、今は解読にかからないと、ほらミミーおいで!!」
「ひいい!」
襟首を掴まれて引きずるように連れて行かれる。
なんてお気の毒なんだ。
皆、ポカーンと見つめているうちに二人は去った。
「そうか、攻撃魔法ではなく召喚なのか、そう言われるとそんな気がする」
あの時の鳥達は召喚された僕で、杖を持つのが主なのか。
では杖は、気の利く執事のようだな。
主の危機で召喚してくれたし。
「私も使ってみたいな~これ、 ダメかな?」
リーシャが興味を持って近づく。
そうか、リーシャはまだ少ししか魔法を使えないし、召喚もしてみたいかな。
リーシャを守るためにもその方がいいか?
自分は剣や打撃系の武器だし、リーシャに預けておく方が良いかな?
杖が認めるかだが、その辺をマギアさんに聞きながら考えよう。
「杖と相談してみるよ」
「うん、よろしくね~~」
それで会議は終了となった。
後は書物が解読されれば、新たな力が得られるはずだし召喚術を使えればなおの事だろう。
リーシャが使う事を認められるといいが。




