クリスタル・ロード 0091 もしかして迷った?
肉がまだまだあるので焼肉とした。
辺りが高級そうな所なので、そんなところで火をたくのは気が引けるが仕方ない。
倉庫らしき所にタイルが積んであったのでそれでコンロを造った。
焼肉の匂いが広がり、食欲をそそる。
「野菜も欲しいね~、タレもあるといいのに」
「デザートも欲しいですね、果物がたくさん」
「干しブドウならあるぞ、リンゴも少しなら」
「自分もチーズなら少しありますよ」
「あ、もらう~」
チーズを乗せて溶かしながら焼いて、パンと食べる、実に美味い。
本当にタレが有ればなお良いのに、野営?では仕方ないか。
帰ったらタレ付きでたくさん食べよう。
皆死ぬところだったのに、無事とわかってよく食べる。
このバイタリティが冒険者のベテランなのだろう。
飛べられるときに食べておく、だな。
「この階層には他に誰も来てないのでしょうか?」
「そうだな、俺達少し早まったからな、上のほうがまだ残ってたのに」
「まあ、いいんじゃない? 他のチームがやってるだろうし」
「うむ そのおかげでまた良い物を見つけたからな」
「早い者勝ちでお宝見つけちゃおうか? 金銀財宝!どっさり」
「しかしその分危険もあるぞ! さっきみたいにな」
「そうですね、でもだからこそのお宝チャンスなのも・・・」
串焼きをかじりながらお嬢様が微笑む。
この人なら財宝を見慣れているのではと思うが、もう冒険者の感覚のようだ。
すっかりなじんでいるか。
皆でたっぷり食べて休憩後、近くを探索することにした。
せめて少しの金貨程度は見つけたいところである。
今までマッピングはしているがこれほどの街と文明なのだから、街の全体図が有ればいいのだが、掲示されていないし保管場所は無いのだろうか?
あの杖は意志を持っているようだし、場所を教えてくれないかな?
いっそ宝の場所まで導いてくれたら・・。
そう思って杖を見つめた。
少し待ったが、何も言ってくれない。
命を助けてはくれたが、不純な動機はダメなのか?
あんな立派な杖を置いていったのだから、財宝もあるのではと思うが。
通路をゴーレムに乗り進んで行くと何か違和感があった。
「「「「「??」」」」」
何だろう、妙な感じがしたが? 皆変な顔をしている。
「ん?」
「ねえ、今のって・・・・・」
「うん、何か変じゃないか?」
「確かにな、だが何が変なのかわかるか?」
皆要領を得ない事を言っている・・・でも何と表現すればいいのか?
「あれ? 道はこっちでいいんだっけ? 向こうから来たような・・」
マップを見るが実際と合わない・・な? どっちがどっちだ?
「あれ?」
「ん? 確かにおかしいな? そこから曲がってきたと思ったが・・角が無い?」
「あれれ?」
もしや、迷ったのか? それにしても変な迷い方だが・・・・。
まるで幻術にでもかかったかのような、 幻術? 結界なのか?
「え? え? おかしいな、さっきはここ真っすぐだったのに、あれ?」
「私ちょっと向こう見てきましょうか?」
「待て待て、皆落ち着け! これは罠か、あるいは術の可能性が・・・」
「レフが珍しく冷静な判断だな」
「慌てていつもの態度ができないだけじゃ?」
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そんなことを言って見つめ合う5人であった。




