クリスタル・ロード 0009 大いなる使い
「ちょうど今、開店したとこ」
お姉さんは言ったが、そうだったろうか?
いなかったと思ったけど・・・まあいいか。
まず、あの雷弾の事で、すごく役に立つし他に欲しがっている人の事を話す。
それで自分の分を含めて2組を買い、銀貨2枚を払う。
パン屋の手伝いをしているので金があるのだ。
「ありがとね 売り込みまでしてくれるとは」
ニコニコである。
「それで気が付いたことなんですけど・・」
改良できればと持ち掛ける。
「これ、嵩張るんで、細くか、薄くかになればなお便利かと」
いま10個持っているだけで結構なお荷物だ。
「あー、なるほどね、確かに嵩張るな」
「それに細ければ矢に付けて飛ばすことも」
飛距離が出るしね。
ついでに、紐や鎖を付けることで投げ易くするのも提案した。
「そうか、矢に付けてか、 ・・・それは考えなかったな」
うんうんとうなずいてメモしている。
「やっぱり坊やに頼んで正解だった、すごく参考になったよ」と喜ばれた。
と、そこまで話して、あの貰った首飾りの事を思い出した。
「話は変わりますが、これ何だかわかりますか?」
ポケットから取り出し見せた。
「ずいぶん古そうなんですが、ただの飾りなのか、マジックアイテムなのか・・」
「ん?」とお姉さんはメモから顔を上げて見つめた。
「んん~」 手に取り、じーーっと見ていたかと思うと目付きが変わった。
「これ、どこで手に入れた?!」と迫ってくる 何ですか?
「え? これは貰い物で・・もしかして高価な物?」
「そうじゃない、高価では無いが旧文明の遺物で、非常に珍しくて・・」
真剣な顔つきで別人のようだ。
旧文明の紋章の透かしが石に刻まれて、とかブツブツ言っている。
夢中になって考えているようだ。
「じゃあこれ、どこで見つけたか聞いときますか? 後で会いますから」
そう言うと我に返ったように顔を上げた。
「そうか、では少し調べたいからこれを預けてくれるか? 必ず返すから」
そう言うなら真剣な顔に免じて、そのように。
明日また同じ時刻に開店するからと約束され、別れることに。
ネビィの後ろ姿を見ながら露天商の店主は考えていた。
「これが見つかるなんてね、やっぱりあの子は何か違う・・・」
古い文献にはあったが、実物を見るのは初めての物で、師匠からさんざん聞かされた旧文明の遺物。
「人を繋ぐ大いなる使い、現る か・・」