クリスタル・ロード 0086 隠し部屋
書庫の話を聞いて、領主の使いとその仲間はすぐに向かった。
自分が探さなきゃならないかと思っていたから助かるな。
呪術の書物と言われてもわからないから。
フレア達にケガは無く合流出来てひと安心だ。
「水と食料準備できたよ」
「では行きましょうか?」
「今度は金銀財宝だといいんだがな~」
今度は5人でカラクリのゴーレムに乗り、台車1つは後ろに繋ぎもう一つはアームで押していくことにしたので楽ちんで早い。
「こんなのもあったんだ、どんな仕組みなんだろね~」
「考えるな、どうせ俺達にはわからん!」
「そうですね クスクス」
「どっちに行きます?」
ゴーレムを操作しながら聞いた、今はゆっくりだがもう少し早く進められる。
「ではマップをしてないところか? 2層目の東かな」
グロフは他のチームのマップを合わせて既に広範のマップを持っている、さすがだ。
「でもお宝は下層でしょうね」
「そうだな、でもいいアイテムがあるだろうから飛ばすのはもったいないし」
「他のパーティでめぼしいのは転移盤の他には何だ?」
「珍しい物を少々とかで、魔物に追われて撤退した所もあるそうですからあとは・・いまいちでしょうか?」
「じゃ俺達が総合トップみたいだな」
レフは鼻高々である、確かに金になるだろう。
でも街の方は大丈夫だろうか? トラブルになっているそうだし・・・。
「ネビィ、街が心配? 向こうには先生がいるし衛士さん達もね」
え? 顔に出ていたろうか?
「そうだな、あの呪術師さんもいるし、転移盤の用意が出来たら一度帰るから
心配ないだろ」
「そうそう、おみやげ一杯持って帰ろう! 今はこっちに集中して」
「そうか、気を散らしてると危険ですよね」
「その通りだな、今心配していても何ら益が無い」
そうだ、グロフの言う通りだ 危険な時こそ集中・・だな。
通路東側へと向かう途中、魔物が現れずスムーズに進んで行く。
ゴーレムがあれば出てきてもかなり有利なのでそのせいもあるだろう。
「え? ちょっと止めて下さい」
フレアが急に声を上げた。
「どうした?」
「あのあたりに何か感じたんですけど・・う~ん ?」
そこは通路の一角で、何も無さそうな地味な場所である。
レフが降りてそこへ近づき壁を探っている。
「このあたりか? 」
自分も降りて調べてみると、何も無さそうに見えるのに妙な感じがする。
気配?が、するというのか、これは何だろう? 危険とも違うか・・。
壁の向こうに何かがいるような? しかし魔物とも違う気配が。
ただ待っているような存在・・・か?
フレアも降りて壁を探っているが、それ以上わからないようだ。
自分も壁に触れてそれ以上の事を感じようとするが、進まない。
いっそ壁を壊すか?
しかしそう思ったとたん、壁が熱く感じたほどの強い気配となった。
慌てて手を壁から離し、壊す考えを消した。
今のは明確な怒り、あるいは敵意だ!
「今のは・・?」
フレアも感じたようだが、何だったのだろう?
今は敵意が消えている。
こちらの意識に反応したようで、魔物ではないだろうが、では何だ?
また恐る恐る壁に触れて感じ取ろうとするが、どうすればいいのか。
壊すのはダメなようだ。
では? ・・・・・・・開けてもらうことは?
ここを開けてもらいたいと、そう考えると向こうの意志が応じた。
「あなたは主なのか?」
そう言われた気がした。
主? あるじとは、誰の事か?
多分この遺跡に住んでいた人の事だろうが、誰がここにいたのかは知らない。
だが何と言えばいいか、わかったような気がしたのだ。
「私は主ではない、主はもう帰らない、 私達はここを調べに来た、それだけだ」
「・・・・・主は帰らないのか?」
何か悲しそうな気配が伝わってくるが、人なのか? 人がここにいるのか?
「帰らない、この街にはもう誰もいないし、帰らない、 なぜかは私も知らない」
「・・・・・・・・もう・・誰も・・・・いない」
「そうだ」
それから少しの間があって、ただの壁と思っていたところがゴトンと動き、それからゆっくりと開いた。




