クリスタル・ロード 0083 遂に書庫発見か?
ふう
皆、山ほど食べて満足だ。
しばらく寝ていたいが、そうはいかないか。
「そろそろ行きましょうか?」
フレアがかたずけ初めてみなが立ち上がり、伸びをする。
「あ~、食った食った、 腹が苦しいな」
「ほんとね~ 満足~~ 」
「ところでどっちへ行く? 上か?」
「この階層の反対まで行こう、それで見つからなければ上へ」
「その方がいい物見つかりそうですね」
「そうか、それじゃ行くか」
また皆で台車を押しながら通路を移動していく、今度は急いでだ。
「他のパーティは何をみつけましたかね~」
「財宝かな? それとも魔石や素材か?」
「運のいい所はそうでしょうね」
「それ、悔しいよね、ぜったい!」
「でもまだ先があるからな、下の方が良い物あるだろうし、これからだ」
「そうですよね~、 今回だってそれなりに良い物ですしね」
そんなことを言いながら先を急ぎ、3時間近く歩くと様子が変わってきた。
通路や部屋が少し荒れているようだ。
他のパーティの荷物らしきものが散らばっている。
「何があったんだ? トラブルか?」
「そのようですね、では皆逃げたんでしょうか」
「それなら合流は無理か? 俺達も遺跡を出るか・・」
「ちょっと、これ!」
ジョーイが指さした先に血痕があった。
血の跡が床に点々と続いている。
皆で血痕を辿っていくと、大きな扉の前に着いた。
だが、扉が開かない。
「何で開かないんだろ?」
「ロックしてあるのか? 何でだろな?」
ドンドンと叩くが、びくともしない・・壊すしかないのか?
「魔法でぶちかませば、壊れるとは思いいますけどね」
フレアがドアをコンコンと叩きながら言うが、遺跡を壊すのは忍びない。
そんなことを言って皆で考えあぐねていると、ドアがゆっくりと少しだけ開いて隙間から目が見えた。
「「「「「あ!」」」」」
「助けが来た!」
そんな声が聞こえた、他に人がいるようだ。
ドアが大きく開いて数人が見えた。
「あなた達、あれを見なかった?! おかしな魔物を!」
ケガ人が奥に二人いたので、取りあえず皆入ってドアを閉めた。
そこは書庫の様で、本や巻物などがぎっしりと並んでいる。
本来の目的の場所である、内心大喜びだが黙っておく。
「ポーションを全部使ってしまって・・」
それで怪我が治っていないので、こちらの物で治療をしておく。
「これでいいですね、しばらく休めば楽になるでしょう」
「すまないな、ここに閉じこもっているしかなくて、もうだめかと思った」
3人が負傷して、あと3人がドアを守っていたが動けなかったか。
彼らは見つけたお宝を、逃げる途中で捨ててしまったそうだ。
「あら、もったいないですね」
「そうは言っても必死だったから・・・」
「無理もないだろ、仕方ないさ」
フレアとレフがそう言っているが、探しに行きたそうだ。
「宝よりケガ人を運ばないとな、ポーションで回復するだろうが退却だな」
グロフが退却路を聞きながらマップを確認している。
「ケガ人は台車に乗せるか、荷物の上だから乗り心地悪いけどな」
「他のパーティはどうしたのかしら? あなた達見ませんでした?」
「自分達は見ていない、ここはずいぶん広いらしくて・・」
「俺達もそうだったからな、バラバラになってるな」
ここの魔物は普通と違うし(美味いけど)、自分たちの見つけた特別な武器が無いと
かなり厄介な相手だろう。
だとするとたいていのチームは撤退しているかな?
書庫の位置はしっかりと記録しておいたし、これでとりあえずの目的は果たした。
お目当ての書物があるかは後の事だ。
部屋を出るとき彼らは怯えていたが、自分達は魔物を倒したというと驚いていた。
「だから大丈夫、落ち着いてついて来て」
そしてしばらく歩いていると、現れた、 その魔物らしきのが。




