クリスタル・ロード 0082 焼肉パーティ
あれから1時間ほど探し回ったが、やはり魔物がいない。
闘技場より出た後から見ていないので、あれで何かあったのだろうか?
もしや魔物の動きもここで管理しているのか。
それなら闘技場のように魔物を出すことも出来るのでは?
待てよ、闘技場に魔物がいなかったっけ?
「闘技場、魔物もいた・・・よね?」
「「ん?」」
「そう言われると、いたような?」
「あ~~っ、 初めに出て来た、見た!」
なんてことだ、でかいのに夢中で魔物がいた事を忘れていた。
食べられるかはともかく、あれを調べれば・・・。
「闘技場、どこだっけ?」
「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」
マップを見るが賭博場の後から描いていない、忘れていた。
まあいい、空白部から考えると、このあたりーーーーーと、目星をつけて。
「あっちだ」
皆で走っていく ・・・・・・ と、有った、大扉だ!
「また閉じ込められると面倒だから、俺とグロフで行く、何かあったら頼む」
「そう言って二人だけで食べないでよ」
「じゃあ、自分たちは焼肉の用意をしておくので」
「そうですね、近くに調理場があるのでは?」
「そうか、客用の食堂があるはずね、探そうか? コンロあるかも!」
古代の特別なコンロがあれば、それもお宝か?
少し探すと見つかった、50人は入れそうな食堂で調理場らしき場所にコンロもある。
相変わらず文字は読めなくとも大体の使い方がわかるし、水は出る。
「まだ使えるなんてすごい仕組みですね」
「ね~ 、魔石を仕込んであるのかな? 水は井戸かな?」
「水もまともなようですよ、澄んでいるし、変な匂いは無いし」
「鍋があった~、鉄板も~、焼くも煮るもオッケーだよ」
水を入れて起動? させてみると鍋が温まってきた。
「これで大丈夫!」
「でも何で使い方わかるの? 闘技場でもこんなことあったよね?」
そう言われると・・・
「う~~ん なんとなく、ですか?」
「あら、ずいぶんカンがいいんですね?」
「へ~~~」
二人を呼びに闘技場へ行くと、肉を担いでやってきた。
「ほら、味の保証は無いが肉がどっさり取れたぞ」
「毒は無いし、まだ残っているから数日分は有る!、たんと食え」
「「「やった~!」」」
肉の味付けは塩と粉末タレがあるので焼肉と煮込みをする。
堅そうなところを煮込みにして柔らかく、他は焼肉に!
肉を皆で切ってどんどん焼いていく、 ここは換気がいいのか煙は天井に吸い込まれていくのがありがたい。
「そろそろいいかな?」
「匂いは良いね、味は・・・?」
皆でそれぞれ一口、・・・・・・・・・・・
「「「「「美味い!」」」」」
「すごい美味しいですね~ これ、貴族用の高級肉のようです」
「ホント、こんなおいしいの初めてだよ!」
「確かにこれは・・・並みじゃないな」
「「うん」」
トカゲのような見た目だったと思ったが、これは凄い。
とろけるような肉質と深い味わいで、体にしみ込むようだ。
この魔物は食用として育てていたのでは? と思うほどの味。
「ここって、魔物もお宝なのでは?」
つい、そう言ってしまうと皆が見つめてくる。
「確かに! これは連れ帰って増やすべきだ! 食用として!」
「そうですね、本当にそうです!」
「番で確保できればどれほどの値が付くか、大金だぞ!」
何だか当初の目的を忘れてしまいそうだが、これも領地の益になるだろう。
場所などをメモしておこう、マッピングもだ。
「ネビィ ちゃんとメモして真面目ね~」
「それより食え! こっちも焼けたぞ~~ ほれ」
「大きい所をやろう、育ち盛りはたっぷり食え! これも」
「そろそろ煮込みも良いと思うよ」
皆でくれるので食べるのが大変だ、噛むのが追いつかない。
水を飲みながら流し込んでいく。
「これで酒があればな~ せめてワインでも!」
「同感だが、それを言うな」
「仕事中だしね~~ お酒は任務完了後のお楽しみね」
「しかし、そろそろ一度帰還すべきかな?」
「他のパーティはどれほど進んだかな? まるで合流しないが」
「よほど広いのでしょうね、音もしませんし・・」
まだ本来の目的、呪術関係の書物に出くわさないが、他のチームが見つけたかもな。
領主直属の人もいるはずだし、一度戻るべきか?
あの台車に魔物肉を積むとほぼ一杯かな?
ならちょうどいいか?
「パンに挟んでも美味しいよ~」
「そうですね ♪」
今は腹いっぱい食べるのが先だな。




