クリスタル・ロード 0008 謎の首飾り
あの光玉は何だ? と、座っていきなり聞かれた。
「ちょっとレフ! まずはお礼でしょうが」
あの袋の男が怒られた。
元気な娘がジョーイ、お嬢様がフレア、大きな男がグロフと、名乗った。
「昨日はありがとね、お礼が遅れたけど本当に助かったよ!」
「まったくだ、君が来なければかなり危なかった」
「天の助けですわね、誰かさんは死神ですけど・・」
他の3人がうなずく。
「だから悪かったよ! 昨日から謝ってるだろ う~~っ」
そりゃ、あんたが悪いからしょうがないよね。
「で、あの光玉はマジックアイテムかい? 初めて見たが」
グロフ?が聞いた。
「そうそう、あれ魔法じゃないよね? 何か投げたような」
「ああ、ハイハイ これを」と、最後の1個を取り出す。
危ないんで触らないで下さいと言うと、4人はこわごわ見ている。
露店で買ったことや、使い方、効果などを教えた。
「まだ実験段階のようですが、5個で銀貨1枚とか言っていたはず・・」
「それなら欲しいな、かなり役立ちそうだ」と、グロフ。
「そうですね、あの効果で銀貨1枚なら、買いますわ、ぜひ!」
そうなのだ 自分もそう思い、今朝からあの露店のお姉さんを探してるのだがどこにも見当たらないのだ。
そう伝えると、それならしょうがないかと言ったところで料理が来た。
ちょうど昼だったか。
「食べて食べて、驕りよ」
「お礼ですからね、どうぞ召し上がれ」
「そうだ、それと・・」
グロフが荷物から何か取り出す。
「これを受け取ってくれ、今回獲物が少なかったが・・」と首飾りを置いた。
すると「おい!それは今回唯一の金になりそうな!・・」
レフ?が立ち上がった所で3人から睨まれた。
「あなたは黙っていなさい!」
「はい・・・」
その首飾りはずいぶん古そうで、高価には見えない。
中心に黒ずんだ平らな石、周りは金属細工で細かい傷が有り、くすんでいる。
「大したものじゃないが、他にお礼にできそうな物が無いからな」
「本当にいいんですか?」
「いいんですよ、死んでたら手に入らなかった物ですから」
お嬢様が言う。
3人はうなずくがもう一人は泣きそうな顔だ。
それではと受け取り、料理も少し頂いておくが、リーシャから貰った弁当も有るのでそちらも食べねばならないのだ。
自分達はしばらくギルドに通うので、あの露天商が見つかったら教えてくれと言われた。
そうなのだ、感想の件もあるし探しているのだがあの人はどこだ?
ところがその場所を思い出せない。
通りのどこだったのか、記憶が曖昧でどうも変だ。
自分はこんなに忘れっぽかったのだろうか。
そう思っていたら、急に目の前に現れた。
さっきまでいなかったはずの所に、露店を開いて座っている。
「もしかして、私のこと探していた?」
そう妖しげに微笑んで。